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J・J・エイブラムスは『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』をどう受け止めたか ― 監督いわく「すごく優しかった」

J.J.エイブラムス
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/19679067265/

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で脚本・監督を務めたライアン・ジョンソンは、2015年に始まった新3部作において、のびのびとその作風を発揮してみせた。あまりにのびのびとしすぎたゆえだろう、その作品には世界中のファンが驚き、困惑し、今や感想は賛否両論真っ二つだ。

では、前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)で脚本・監督を務め、完結編となる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』にも急遽登板が決まったJ・J・エイブラムス監督は、本作をどのように受け止めたのだろうか?CinemaBlendにて、ライアン・ジョンソン監督がJ・Jの反応を明かしている。

『最後のジェダイ』製作総指揮、J・J・エイブラムス

『フォースの覚醒』を手がけたJ・Jは、本作『最後のジェダイ』にてエグゼクティブ・プロデューサーを務めている。『スター・ウォーズ』新3部作のすべてに重要なポジションで携わっている彼は、いわばルーカスフィルムとともに全体の舵取り係を担っているわけだ。

J.J.エイブラムス
Photo by Gage Skidmore ( https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/19679067265/ )

しかしながら、『最後のジェダイ』の見どころのひとつは、『フォースの覚醒』でJ・Jが用意した要素を時に丁寧に扱い、時に乱暴に放り投げていく、そのダイナミックなストーリーテリングにあるといって差しつかえない。
しかし、ある程度の大きな構想を立てて執筆したであろう物語に、数多の爆薬が仕掛けられていくような製作過程をJ・Jはどのように見つめていたのか。もっとも、ライアン監督は「彼は夢中でしたよ」と言ってはばからない。

「はじめに、彼にストーリーを提出した時のことを覚えています。彼は(脚本の)指摘をしてくれましたが、“おい、何をしてくれてるんだよ!”って感じではなかったですね(笑)。彼はストーリーテリングにのめり込んでくれたんだと思います。彼自身がすばらしいストーリーテラーですし、要素のそれぞれに可能性を見てもらえた、僕たちが求めていたものを理解してもらえたんだと思うんですよ。僕たちは“スター・ウォーズをぶっ壊すぞ!”とはしていなかったですしね。“僕たちの限界を超えるようなものが入った、最高のスター・ウォーズを作ろう”だったんです。」

すでに本編をご覧になった方ならば十分におわかりの通り、本作は冒頭からラストに至るまで、ライアン監督による大胆すぎる決断と挑戦がぎっしりと詰まっている。『フォースの覚醒』を作ったJ・Jは――まさか自分が『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を撮るとは当時想像していなかっただろうが――製作中のライアン監督に、なるべく創作の自由を与えていたようだ。

「彼はすごく優しかったんです。一歩離れて見ていて、ともに仕事をするための白紙を与えてくれた。出発点は『フォースの覚醒』の脚本だったんですが、まさに巨大で、贅沢で、すばらしい出発点でしたね。僕たちは彼の作品から直接(物語を)描いていましたが、当時からそれは真っ白のキャンバスだったんですよ。」

『フォースの覚醒』で新旧の『スター・ウォーズ』ファンを真正面から見据えたJ・J・エイブラムスは、この『最後のジェダイ』という転換点を経て、いかなる結末へと3部作を着陸させるのか……。その手腕には、『最後のジェダイ』の肯定派からも否定派からも熱い視線が注がれることになるだろう。

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中
なお、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日に米国公開予定。

Source: https://www.cinemablend.com/news/1745629/what-jj-abrams-thinks-about-the-last-jedi-according-to-rian-johnson
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore ( https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/19679067265/ )

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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