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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』あのミルクの動物、衝撃の撮影舞台裏 ― 製作スタッフ「こんなことしたのは初めて」

©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』には、1977年のシリーズ第1作『エピソード4/新たなる希望』(1977)を思わせる「ミルクのシーン」が登場する。クリーチャー・デザインを務めたニール・スカンラン氏によれば、ハードな製作・撮影の背景には、長いキャリアを誇る彼にとっても初めての出来事があったというのだ。

注意

この記事には、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のネタバレが含まれています。

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©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

グリーンミルクのクリーチャー、タラ=サイレン

レイが訪れた惑星オクトーにて、ルーク・スカイウォーカーは隠遁生活を送っていた。そこにいるのはあちこちに巣を作るポーグや島や建物を保全するケアテイカーといったクリーチャーばかり。日々の生活で、ルークは陸地に腰かけた巨大な哺乳動物、タラ=サイレンから搾ったグリーンミルクを栄養源のひとつとしているようだ。

ライアン・ジョンソン監督たっての希望で、ルークとレイ、タラ=サイレンのシーンには、なんとアイルランドの撮影現場に実物大のアニマトロニクスが用意されたという。米NerdistColliderの取材に対して、ニール氏はその製作秘話を語っていた。

「製作の初期段階で、ライアンは(タラ=サイレンの)アニマトロニクスや実物が欲しい、撮影現場に置きたいと言っていました。スタジオでは撮りたくなかったんですね。そこで僕たちはロケ地に行って、写真を撮って、デジタル・マップを作りました。それで、パインウッド・スタジオに(現場さながらの)岩場を作り直したんです。そしてタラ=サイレンを――実物大のアニマトロニクス・パペットで、約5.5メートルあるんですが――岩場にフィットするように作りました。まるで、本当にその場所に座っているかのようでしたね。」

ニール氏のチームが作った巨大なパペットは、全体が発泡ゴム(発泡ラテックス)でできていたという。しかし、完成した巨大タラ=サイレンをロケ地のアイルランドまで運ぶのは一苦労。イギリスのパインウッド・スタジオからアメリカのILM社に輸送し、さらにヘリコプターで現場に持ち込んだというのだ。「ヘリコプターで空輸したクリーチャーはコイツが初めてですよ」とニール氏は笑う。

実際の撮影現場では、タラ=サイレンを動かすため、パペットの内部に二人の操作スタッフが入っていたという。「潜水艦のハッチみたいに」頭部が少しだけ開き、スタッフが入ると、再び開かないよう外からきっちりと「封印」したそうだ。スタッフの一人がパペットの上部から肩とヒレ足を操作し、もう一人が下から腹部とミルクの装置を動かしていたという。もちろん撮影の様子や俳優の演技をきちんと把握できるよう、スタッフはモニターとトランシーバーで外部と通信していたとか。

「こうして、マーク(・ハミル)が歩いてきて、かがみ込んで、ミルクを搾れるようになったわけです。ミルクを飲むところ、いいシーンですよね。」

なおタラ=サイレンの操作には、パペットの外側にも操作スタッフが必要だったという。一人が岩場の上から棒を使って頭部を動かし、さらに二人が下のヒレ足を操っていたそうだ。もちろんルークがミルクを搾った以外の、背景に映っていた二匹のタラ=サイレンにも実物のパペットが使われている。

ちなみにニール氏は、完成したタラ=サイレンについて「(撮影現場では)それほど気持ち悪くなかったんですよ。CGで手を加えられて、さらに気持ち悪い感じになったんです。実物があって、本当に操作するのは素晴らしい体験でしたね」と振り返っている。

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中。

Sources: https://nerdist.com/the-last-jedi-gross-milking-scene-behind-the-scenes/
http://collider.com/the-last-jedi-neal-scanlan-interview/
©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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