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『トップガン マーヴェリック』デジタル配信開始、空撮コーディネーターが語る「実写」撮影のアツいこだわり

トップガン マーヴェリック
(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

世界中で社会現象を巻き起こし、映画史に新たな1ページを刻んだ壮大なスカイアクション映画『トップガン マーヴェリック』が、2022年9月9日よりついにデジタル配信開始となった。本作では、なんといってもキャストが実際に戦闘機に乗り込み、本物の「G」に耐えながら挑んだ凄まじい飛行シーンが話題だ。あの臨場感溢れるスカイアクションが、自宅でも観られるようになる。そんなリアルな飛行シーンを手がけたエアリアル・コーディネーターが、“本物”へのこだわりを熱く語っている。

CGIを多用する大作映画では、文字通り、撮影監督がほとんど何も撮影しないことが珍しくないという。シーンが全てCGIで制作される場合、デジタルアーティストが必要とするのは、CG映像を入れるための“フレーム”だけだからだ。しかしCGIを最小限に抑え、実用的な撮影にこだわった『マーヴェリック』で、この製作方法は本作が目指すところに反している。そこで、エアリアル・コーディネーターを務めたケヴィン・ラローザ・Jr.は、通常ならCG処理で“フレーム”として必要となる空だけのカットを撮影しないことが、『マーヴェリック』におけるナンバーワン・ルールだったと、米Cinema Blendに明かしている。

「自分にとって、『トップガン マーヴェリック』のナンバーワン・ルールは、常に何かをレンズに収めることでした。この映画には、普通なら容易に入手できない航空機がいくつか登場します。それは、F-18 の外観を変更したり改良したもの(F-14のこと )です。ですが、製作チームは何もない空を眺めていたわけではなく、CGIのために必要な“フレーム”は撮影しなかったし、常にカメラの前を実際に飛行している本物の航空機を撮影しました。

観客は、何が本物か見分けられると思います。観客は、CGIや視覚効果を多用した大作やブロックバスター映画を観ていますからね。だから、彼らには分かるんです。そして、『マーヴェリック』のような作品を観賞すると、リアルに感じるし本物に見えるし、それは直感的に感じるものだと思います。

実際、劇中に登場するF-14は米国では容易に入手できないため、撮影にはF-18を使用し、CGIを使ってF-14に見せかけているという。しかし、CGIは使用されているが、実際にF-18を飛ばして撮影した後にCGで処理しているため、リアルで臨場感あふれる飛行シーンを体感できる仕上がりとなっている。

以前から主演のトム・クルーズは、「『トップガン』の続編を作るなら、CGIではなく本物の戦闘機を使う必要がある」とこだわりを語っていた。その点についてラローザ・Jr.は、「フレームとして使う空を撮影しない」とのルールは自分のアイデアではなく、上層部から言われたことだとも明かしている。

「トムと(監督の)ジョセフ・コシンスキー、そしてパラマウントは、最初から全て本物でなければならず、もしCGIを使うのなら、それはあくまで映像の処理であるべきだと考えていました。つまり製作チームは、すべてをカメラで撮影する必要があったということです。コシンスキー監督の物語を、すべてカメラで撮影して伝えているんです。常に被写体となる航空機があり、何もない空は撮影しませんでした。」

トムとコシンスキー監督、製作チームが一丸となり、本物にこだわり抜いた究極のスカイアクション映像は、2022年9月9日(金)より日本でもデジタル配信される『トップガン マーヴェリック』で再び堪能することができる。

Source:Cinema Blend

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Hollywood

ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行に料理と、読書とキャンプ。

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