『トップガン マーヴェリック』トム・クルーズがハングマン役俳優に与えたアドバイスがカッコよすぎる
2022年最大のヒット作『トップガン マーヴェリック』では、グレン・パウエルが演じたハングマンが物語上のライバル的存在となって盛り上げた。主人公マーヴェリック(トム・クルーズ)の亡き盟友グースの息子であるルースター(マイルズ・テラー)とは激しく対立し、切磋琢磨する胸アツドラマを展開。クライマックスでは、やっぱり胸アツな見せ場が与えられた。
そんなハングマンを熱演したグレン・パウエルといえば、もともとルースター役を志望していたが落選したため、メインキャストではない同役を一度辞退していたというエピソードで知られる。これを説得したのがトム・クルーズだ。パウエルは、製作初期の設定でのハングマンは魅力に感じておらず、やがて1作目のアイスマンを彷彿させるようなキャラクターにすること、最後に救世主となる展開を与えることを提案されて納得し、役を引き受けている。
同役についてパウエルは米Varietyの対談企画(相手役はケイト・ハドソン)で、「カメラの前で気に入られたい、という罠に陥ることがあるんです」と、演じながらエゴがあった旨を話している。「こういう映画では、何人もの目に触れることになるとわかっているわけです。そこでドラコ・マルフォイにはなりたくなかった」。
ドラコ・マルフォイとはもちろん『ハリー・ポッター』に登場するキャラクターだ。『ハリー・ポッター』の物語もいろいろあるが、ざっくり言えば「主人公に対して嫌味にあたる、嫌われ者のライバルキャラ」であり、パウエルは本作でそうなることを望んでいなかった。
迷えるパウエルは、トム・クルーズからこんなアドバイスを受けたことを明かす。まるで、トム自身がマーヴェリックそのもののような言葉だ。
「“エンディングを成立させるために、君は完全に身を任せなくてはいけない。この映画の出演者は全員が自分の能力を疑っている。その中で、君だけが自分を疑っていないんだ。だから、君が一つでも言い訳をしたら、この映画は成立しなくなる。思いっきり、クソ野郎になれ。”」
このアドバイスが響いたパウエルは、劇中で「クソ野郎(douchebaggery)」になりきった。もちろん、1作目のアイスマンだって本質的には嫌な奴ではなく、実際には常に冷静で真っ当な忠告をしているに過ぎなかったように、ハングマンだって悪人というわけではない。ラストの展開を思い出せば、彼がどれだけ情に厚いナイスガイであったかは自明だ。
もっともパウエルは、「クソ野郎の役のオファーが続いてるんです」ともポツリ。「『スクリーム・クイーンズ』(2015-2016)の役もめっちゃクソ野郎だった」。
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Source:Variety