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『トップガン マーヴェリック』トム・クルーズ、飛行シーンの特別許可を得ていた ─ 俳優用の飛行訓練カリキュラムも自ら設計

トップガン マーヴェリック
(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

青春スカイアクション映画の名作、『トップガン』(1986)の続編『トップガン マーヴェリック』にて、主演のトム・クルーズによる空撮シーンのために、米軍から特別許可が得られていたことがわかった。米Entertainment Weeklyにて、ジョセフ・コシンスキー監督が語っている。

『トップガン マーヴェリック』では、CGではなく“本物”を使用しての撮影にこだわるため、俳優陣がF/A-18E/F「スーパーホーネット」に搭乗。実際に操縦を担当したのはアメリカ海軍のパイロットだったが、俳優の演技を克明に捉えるべく、戦闘機にはIMAXカメラが最大6台搭載された。機体のスペースは限られており、撮影監督やメイクのスタッフさえ同乗できなかったため、コシンスキー監督は「飛行機に乗る時は、俳優たちが映画作りのあらゆる責任を負っていた」という。

そんな中にあって、トム・クルーズが機体に乗り込んで撮影に臨んだのが、特報映像に含まれている、戦闘機が砂漠の地面すれすれを飛行するシーンだ。撮影にあたって米軍から特別許可を要したという撮影は、監督いわく「最も危険なシーンのひとつ」だったという。

「トムがとんでもない低空飛行を演じるために、海軍から特別な許可を得なくてはいけませんでした。本当に空母から離陸し、本当に空母に着陸しているんですよ。映画でそんなことをやった人は誰もいません。トムはあらゆる形で航空の夢を叶えることができたわけです。」

『トップガン マーヴェリック』は、トム演じるマーヴェリックが教官としてトップガンに帰ってくるという物語。製作の舞台裏では、1994年にパイロットの免許を取得したトムが、実際に教官さながらの役目を担っていたことも明らかになっている。パイロット役の若き俳優たちが挑んだ飛行訓練のカリキュラムを設計したのは、なんとトム自身だったという。

「ストーリーを語るべく、彼らを(戦闘機に)乗せるという作戦は、ただ飛び乗って、演じればいいというものではありません。全員に、数ヶ月間の飛行訓練を受けてもらわなければいけませんでした。トム自身が設計した訓練カリキュラムを受けてもらったんです。トムは曲芸飛行のパイロットの免許を持っていますが、『トップガン』前作では訓練をまったく受けておらず、大変な思いをしていた。だから、同じレベルの訓練が必要だと知っていたんです。スーパーホーネットに乗る前に、セスナから曲芸飛行へ、そしてシングル・エンジンの小型ジェットへと進んでもらいました。」

コシンスキー監督は、俳優が実際に戦闘機に乗るという撮影スタイルを「スリリングな体験でしたが、身体的には非常に過酷だった」と振り返っている。「たまに気持ち悪くなってしまう俳優もいましたが、それは熟練した戦闘機のパイロットでも起こることなんです」。逆に言えば、本物のパイロットが体験するのと大差ない環境下で撮影が行われたということである。

トップガン マーヴェリック
(C) 2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

本作の新キャストを代表するのは、『セッション』(2014)『オンリー・ザ・ブレイブ』(2017)のマイルズ・テラー。前作に登場したグースの息子、ブラッドリー・“ルースター”・ブラッドショウを演じている。コシンスキー監督によれば、マーヴェリックとルースターの関係が「本作のエモーショナルな核であり、映画の背骨をなしている」とのこと。二人の関係を掘り下げることは、トム・クルーズが『トップガン』への復帰を決意した大きな理由のひとつでもあったという。

なお前作からは、マーヴェリックのライバルであるアイスマン役を演じたヴァル・キルマーも続投する。監督いわく、マーヴェリックとアイスマンの関係は『トップガン』において重要なものであり、「ひとりのファンとして、どのように展開するのか観てみたいものだった」とか。残念ながら、アイスマンの姿はまだ予告編にも登場していない。どのような形で登場し、どんな役割を担うのかは、もうしばらくのお預けだ。

[訂正:記事内容を初出時から変更いたしました。謹んでお詫びするとともに、ご報告いたします。]

映画『トップガン マーヴェリック』は2020年7月10日(金)全国ロードショー

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Source: Entertainment Weekly

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。