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『トップガン マーヴェリック』アイスマン役ヴァル・キルマー、復帰までの熱いドラマ ─ 手術により声を喪失、トム・クルーズの熱烈オファー

トップガン
©Paramount Pictures 写真:ゼータ イメージ

コロナ禍が始まって以降、一番長く待ったと言っても過言ではない映画が世界に向けて遂に飛び立つ。スカイアクションの金字塔として今なお愛され続ける『トップガン』(1986)36年ぶりの続編、『トップガン マーヴェリック』だ。

『トップガン』の続編と聞いてファンが期待することといえば、やはり主人公マーヴェリックを演じたトム・クルーズの復帰だろう。しかし、トムにしてみれば、ある人物の復帰無くして本作を実現させることができなかった。マーヴェリックのライバル訓練生、トム・“アイスマン”・カザンスキーを演じたヴァル・キルマーである。キルマーの復帰までには熱いドラマがあったのだ。

声を失った2015年、取り戻した2021年

『トップガン』出演後、トム・クルーズと共に人気に火を付けたキルマーは、『バットマン フォーエバー』(1995)や『ヒート』(1995)、『デジャヴ』(2006)など数多のハリウッド映画で活躍してきた。しかし2015年、キルマーは困難に直面する。喉頭がんと診断されたのだ。

この事実が公に明かされたのは診断から2年後の2017年。キルマーは手術で声を喪失し、キャリアが絶たれることを懸念する声も当時は見られていた。それでもキルマーは俳優活動を続け、『ソング・トゥ・ソング』(2017)『スノーマン 雪闇の殺人鬼』(2017)などに出演。2020年の主演作『デッドヒート』でキルマーは、自身の演技に声優の吹き替えを加えることで作品を完成させた。

そんなキルマーに光明が差したのが、2021年。英スタートアップ企業Sonanticの主導のもと、最先端のAI技術を駆使した音声クローニングによりキルマーの声を再生させるプロジェクトが始動したのだ。

きっかけは2020年、キルマーの半生を綴ったドキュメンタリー映画『Val(原題)』の撮影を終えた後だった。当時Sonantic社CEOのジーナ・クレシ氏は、「ヴァルのチームが、創作を続けるために声を取り戻したいと声をかけてくださりました」と振り返っていた。同社はキルマーの音声データを独自の“ボイスエンジン”アルゴリズムにかけ合わせるなどして、声を再形成。プロジェクト成功後、Sonantic社は取り戻されたキルマーの声をYouTubeで公開した。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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