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『トップガン マーヴェリック』空撮前夜のプレッシャー、監督が語る ─ 「若い俳優たちを送るなんて」

トップガン マーヴェリック
(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

1980年代の青春スカイアクション『トップガン』(1986)を『トップガン マーヴェリック』として新たに蘇らせたのは、主演のトム・クルーズとは『オブリビオン』(2013)で仕事を共にしていたジョセフ・コシンスキー監督。オリジナル版のレガシーを引き継いだ本作では、実際に役者が戦闘機に乗り込んで空撮に挑むというハイリスクな製作過程が採られた。最悪の事態も想定されながらの撮影に、コシンスキー監督はどのような気持ちで挑んでいたのだろう。

実際のところ、『トップガン』では悲劇が起きていた。空撮カメラマンとして撮影に参加していたアート・ショルは上空を飛んでいたところ、機体がきりもみ回転を起こし、そのまま太平洋に急落下。ショルはそのまま帰らぬ人となり、現在に至るまでショルの遺体と機体は発見されていない。こうした事例がある中で挑んだ『トップガン マーヴェリック』の撮影について、コシンスキー監督は当時大きく懸念したことを米/Flmに語っていた。

トムを空に送るというのもそうでしたが、初めての大作映画である若い俳優たちを送るなんて、飛行前日の夜には毎回のように重圧がのしかかってきました。彼らは選りすぐりの海軍の操縦士と一緒に空を飛んでいるんだというのは分かっていたんですけどね。この映画では、本物のトップガン・パイロットを乗せましたから。これ以上、上手にはできませんよ。」

トップガン マーヴェリック
(C) 2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

失敗の許されない空撮を開始する前、トム・クルーズが初参加となる若手キャストの為に3ヶ月に及ぶ訓練カリキュラムを自ら作り上げたことは、すでに明かされている話。プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーによれば、劇中に登場する若手パイロットのオーディションの際、「中には(訓練に)コミットできないという理由で断念した俳優もいた」という。トム本人も契約書への署名を控えていた俳優たちに向けて「もし参加したくないということであれば、それは全く問題ない」とリスペクトをもって警告していたことも分かっている。

こうして出演を決めた俳優たちは、飛行中のG(重力)への耐久力を養うべく、過酷な水中訓練にも喰らいついた。「備えあれば憂いなし」を究極に突き詰めたトムのカリキュラムは、コシンスキー監督の不安を少しは軽減する助けになったはず。それでもコシンスキー監督は、空撮について「簡単ではなかったです。このほかにも困難はものすごくありました」と始終リスクに囲まれた製作当時を振り返った。

映画『トップガン マーヴェリック』は公開中。

Source: /Film,THR,People

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。