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【TFお勉強企画その3】米国『トランスフォーマー』と日本の『機動戦士ガンダム』類似点と相違点を探る

3.トランスフォーマーは宇宙人

それでは「ロボット嫌い」の欧米人が、「トランスフォーマー」を受け入れた理由はなんでしょうか。そこで思い出さなくてはならないのは「トランスフォーマー」の作品世界設定です。以下初代アニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」のwikipediaを引用します。

はるか昔、超ロボット生命体「トランスフォーマー」が住む惑星・セイバートロンでは、平和を愛するサイバトロンと、武力による惑星の統治を目指すデストロンの2つの勢力が永きに亘り戦争を続けていた。この戦争の影響によって、セイバートロン星のエネルギーは枯渇しようとしていた。

サイバトロンは総司令官コンボイの指揮の下、外宇宙へのエネルギー探索を開始。デストロンも、破壊大帝メガトロンの指揮下で、これを妨害すべく追撃を開始。宇宙空間での戦闘中、双方の宇宙船が「とある惑星」の重力に引き寄せられてしまう。両宇宙船はその惑星に墜落。彼らは全員、機能を停止した。

400万年後、火山の噴火のショックで宇宙船のコンピューターが再起動し、生命再生装置により、トランスフォーマーたちは「その惑星」の到る所にあるエネルギーを蓄えられた物体の姿を借り、復活を遂げた。

このように、「トランスフォーマー」は見た目も、劇中の呼び名も「ロボット」ではありますが、人間が造ったものではなく、セイバートロンという惑星出身の宇宙人であり、ロボットの姿は仮の姿であるわけです。この設定、日本人にはピンときませんが(そのコンテンツを好きになる上で大事なことではないという意味です)欧米人にとっては前述した「フランケンシュタイン・コンプレックス」の枠に入らないという、重要なポイントでした。

この設定により、トランスフォーマーは「生理的嫌悪感」を抱かれることなく、欧米人に受け入れられたのだと推測できます。

トランスフォーマーは純日本産のガンダムと異なり、その出自、最初の世界観を作り上げたのはアメリカ人でした。こう言えば簡単なことですが、自然、生まれた時から欧米人に受け入れやすい世界観を与えられていたわけです。 こうして考えると、ガンダムとトランスフォーマー、どちらもヒーローロボットアニメであり、どちらも長い歴史を持ち、玩具メーカーとガッチリ組んでのマーチャンダイズ、そしてその売り上げの規模など、類似点が多いように思えますが、一点世界観を作り上げたのが、日本人だったか、アメリカ人であったかによって、誕生から30年超を経てもなお、世界における勢力図を明確に色分けできるような相違を生み出しているのです。世界を股にかけるトランスフォーマー、日本国内及びアジアのみの市場でそのトランスフォーマーと真っ向から張ることができるガンダム。どちらがより優れているとかではなく、双方の出身地である日本人として、それぞれのオリジンを理解しつつ、両方とも誇りに思うというのがポップカルチャーの信奉者として正しい態度であるのだろうと思います。

さて、次回の【TFお勉強企画】ですが、素人がいくら頭をひねって資料を当たっても仕方ない!ここは専門家に聞いてみようということで、トランスフォーマーとは切っても切り離せないTOYカルチャーについて、東京は上野に居を構えるアメトイ専門店「RED MERCURY」さんにお邪魔しまして、トランスフォーマーの玩具のイロハをご教授頂きましたので、その模様をお届けしたいと思います。

Writer

アクトンボーイ
アクトンボーイ

1977年生まれ。スターウォーズと同い歳。集めまくったアメトイを死んだ時に一緒に燃やすと嫁に宣告され、1日でもいいから奴より長く生きたいと願う今日この頃。

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