LGBT版スパイダーマン、『ホームカミング』出演俳優が賛同

フジテレビの人気テレビ番組で同性愛者を揶揄したキャラクターの復活に批判が相次いだことを受け、同社長が謝罪を行った出来事が話題となった。一方、海外ポップカルチャーにおけるキャラクターたちは長きに渡ってLGBT理解を促し続けている。
『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)で主人公ピーター・パーカーの親友ネッドを演じたジェイコブ・バタロンが、ファンからの質問にネットで答える企画に登場。そこでtrans boy(女性から男性への性転換者)のファンからの「trans boyのピーター・パーカーってどう思いますか?」との質問に“YAAAAAAAAAAAAASS”と答えた。
大衆文化の写し鏡であり、人々の課題や悩みの擬人化と言えるキャラクターらが、LGBTの思考を反映させるのはごく自然なことだ。アメリカのコミックの世界にはLGBTを告白するヒーローも多く登場しており、特に映画化で知名度も高いデッドプールやワンダーウーマンがバイ・セクシャルであるという発表は話題を呼んだ。また、コミック・キャラクターではないものの『ハリー・ポッター』ダンブルドアがゲイであるという発表は、センセーショナルながらも意義深いものだった。
優れたキャラクターとは悪者を退治するだけでなく、人々の心に寄り添い、憧れや共感の対象となるものだ。有名キャラクターたちが様々な価値観を表現してくれたなら、マイノリティの人々にとって心強い仲間となるだろう。
ちなみに一部のファンの間では、『スパイダーマン:ホームカミング』のピーター・パーカーは性転換者なのではないかという意見もある。フラッシュの”ペニス・パーカー”といういじめはそれを揶揄しているのではないかという読みや、ピーターがスパイダーマンであると知ったネッドが「卵産むの?」とジョークを尋ねるシーン、駐車場でアーロン・デイヴィスの詰問に挑戦する場面で「僕は女じゃない!男だ!」と反論していた描写などは、ピーターがtrans boyだからと考えれば合点がいくという考察である。あらゆる価値観から様々な解釈を許すこともまた、キャラクターの担う重要な役割だろう。
Photo credit: Jerry Bowley via Visualhunt.com / CC BY-NC-SA