【ネタバレ】『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』レイとカイロ・レンは「兄妹のよう」 ─ クライマックスの行動、J・J・エイブラムス監督が解説

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レイとカイロ・レン、「兄妹のよう」
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のクライマックスで、レイは自身の祖父である皇帝パルパティーンに対峙する。一時は自分に秘められた闇の前に畏怖し、ルーク・スカイウォーカーと同じく惑星オク=トーに閉じこもるが、出自から逃げないと決意するのだ。一方のカイロ・レンは、レイとの戦いのさなかに母であるレイア・オーガナの声を聞き、そこでレイのライトセーバーに身体を貫かれる。重傷を負ったかと思われたカイロだが、レイのフォースによって傷は癒された。カイロの背後に立つのは、記憶の中にいる父ハン・ソロ。ついに彼はスカイウォーカーの一人として、ジェダイの血を引く者として、ベン・ソロとして帰ってくるのである。
パルパティーンの前に立ったレイは、ファースト・オーダーの圧倒的な軍備を前に劣勢に立たされるレジスタンスの姿を見せつけられ、“自分を殺してシスの王座を継げ”との申し出に応じかけるように見える。しかし、そこに駆けつけたのがカイロ・レン/ベン・ソロだ。ところが“フォースの一対”であるレイとベンが揃った時、形勢は逆転した。パルパティーンは2人から力を得て、再び全能といえるほどの能力を手にするのだ。もはや最大の窮地に追い込まれるが、レイのもとには、これまでジェダイとして戦ってきた人々の声が聞こえてくる。そしてレイはライトセーバー2本を手に、“ジェダイ”そのものを背負い、パルパティーンを消滅させるのだ。
もっともその代償は大きかった。すべての力を尽くしたレイは倒れ、もはや動かない。かたわらに座り込んだベンは、ふたたびフォースを駆使して、レイの蘇生を試みる。しばらくののち、レイは息を吹き返す。二人はキスを交わすが、その代わりに、多くのフォースの使い手たちと同じく、ベンの身体は消えていったのである。

なぜキスしたのか。二人の関係はその着地点で良かったのか。その着地点に至るまでの描写は十分だったか……。『最後のジェダイ』(2017)でフィンとローズがキスしたことが物議を醸したことは記憶に新しいが、今回も同様だった。レイとカイロ・レンのキスについては、ファンの間で疑問が呈されたのである。
ところが今回、J・J・エイブラムスは「レイとカイロ・レンのキスはロマンティックでありつつも、兄妹同士のようなもの」とコメント。オリジナル3部作におけるルークとレイアの関係性に近いことを強調したのである。
「文字通り、セクシャルでロマンティックなものではありません。むしろ、2人はクレイジーかつスピリチュアルなかたちで結びついている。僕にはそれがロマンティックですけどね。ジョン・ウィリアムズ(シリーズの作曲家)と同じです。彼が最初に書いたルークのテーマは、ルークとレイアのロマンティックなテーマだった。どうなるかを知らなかったから、彼はそう考えたんですよ。」
J・Jによる持論を踏まえて、もう一度、レイとカイロ(ベン)のキスシーンを見てみれば納得もいくというものだろうか。しかしながら――これはあくまでも筆者の意見ではあるが――レイとカイロのキスシーンの演出は、兄妹の親愛を示すというよりも、あくまでも若い男女のそれに近いものだったように思われる。ただし、それは観客のそれぞれに解釈が分かれうるところであろう。どのように作品を観たかはあくまでも皆さんに委ねておきたい。
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)より公開中。
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