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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』J・J・エイブラムス監督 『アベンジャーズ/エンドゲーム』に鼓舞された ─ 「全員を喜ばす方法は知らない」

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』来日イベント

全9作にまで拡張されたスカイウォーカー・サーガの完結作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』に課せられた責任は大きかった。熱狂的、という言葉では生ぬるいほどの信念を捧げるファンを世界中に有し、もはや現代の神話とも称される伝説的な物語を、たった1作でまとめ上げ、完結させなければならかったのだ。

そこで思い出されるのが、同年に公開され、同じく一大サーガの完結作となった『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)だ。映画としての歴史こそスター・ウォーズほどではないものの、関連作品数や主要登場人物数はこちらの方が圧倒的。にも関わらず、まさしくサーガの最高到達点に相応しい評価と興行成績を収めた。

J・J・エイブラムス監督と『アベンジャーズ/エンドゲーム』

『スカイウォーカーの夜明け』J・J・エイブラムス監督にとって、『エンドゲーム』は一大完結作の好例として、大いに励まされることがあったという。英BBCのインタビューにて、次のように語ったと伝えられた

「(マーベルは)鮮やかな仕事をしたと思います。(『スカイウォーカーの夜明け』と)同じでもあり、別物でもある。ああやってまとめることも可能なのだと、励まされました。

『エンドゲーム』が大きなインスピレーションや「できるんだ」という手本になったJ・Jは、しかし、いざ持ち場に戻ると圧倒される作業があったという。それは、『エピソード4/新たなる希望』(1978)から、前作『最後のジェダイ』(2017)にいたるまでのサーガ8作を見直すということだ。「『エンドゲーム』を観るよりもずっと気圧されました。

「過去作とジョージ・ルーカスを振り返ると、率直に言って、なんだか簡単そうに見える。でも実際はそうじゃない。だから過去作を観ると、謙虚な思いになって、スター・ウォーズってある人にとっては宗教なんだなと気付かされるんです。これを汲み取って、どの話の筋道やテーマ性、キャラクターを続けていけばいいのか。そうやって考えていきました。恐ろしくもあり、鼓舞されるものもありました。」

「全員を喜ばせるものではない」

J・Jは製作の過程において、無数の見えないファンと対峙したはずだ。彼は、「全員を喜ばすことはできない」という。これは、前作『最後のジェダイ』や、『フォースの覚醒』へのファンの反応を見ても明らかだし、ひいてはプリクエル3部作を振り返っても、その通りである。ましてや今作は、「これで完結作だというマインドセットを大いに持って今作に取り組んだ」、「ある答えを出す、あることを知ってもらう」という並外れた覚悟と共に生み出す作品である。そこに作用するからくりを、J・Jは次のように認識している。

「何かを明かすというプレッシャーは、どんな選択でもそうですが、例えば、物語でも、デザインでも、ロケーションでも、それってある人を喜ばせて、またある人のことは怒らせてしまうものです。だから今作は、誰かを、もしくは、もちろん全員を喜ばせるものではないんです。だって、そんな方法、僕は知らないし、そこに野心を費やすべきではないと思う。ただ、正しいと思うことをやる。僕達が試みたのは、そういうことです。」

『スカイウォーカーの夜明け』を観れば、J・Jが「正しいと思うことをやる」ために賭けたものがひしひしと伝わるだろう。たとえば、登場人物が使うフォースには更に新たな能力を追加したが、「それに激怒する人もいるでしょう」と自認している。批判も承知の上で挑む覚悟、並大抵の人物ではとても務まらないはずだ。

Source:Comicbook.com

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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