【ネタバレ】『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』ルーク・スカイウォーカーをめぐる意外な舞台裏とは ─ 編集スタッフが明かす

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ルークの登場シーン、撮り直されていた
このたび米国のポッドキャスト「Art of the Cut」に、『スカイウォーカーの夜明け』の編集を担当したメリアン・ブランドンが登場。本作は2019年2月に本撮影が終了していたが、編集などのポストプロダクション(仕上げ作業)段階で、いくつかのシーンを撮り直していたことを明かしている。
ブランドンによると、『スカイウォーカーの夜明け』の再撮影は、2019年7月にイギリス・ロンドンで約2週間にわたって行われ、必要だと思われたシーンやセリフがいくつか追加されたとのこと。脚本・監督のJ・J・エイブラムスとブランドン、共同編集のステファン・グルーブが「映画のためになる」と判断し、「エモーショナルな場面」も足されていたという。
そのうちのひとつが、なんとルーク・スカイウォーカーのフォース・ゴーストが登場するシーンだったという。劇中、パルパティーンの孫であることを知ったレイは、カイロ・レンとの戦いの後、ルークと同じように惑星オク=トーに閉じこもる。『最後のジェダイ』(2017)でルークがそうしていたのと同じように、自分自身を島に閉じ込めることで、ダークサイドの脅威をほかの全宇宙から切り離そうとしたのだ。しかし、そこにルークの霊体が現れると、レイアのライトセーバーを手渡し、パルパティーンと対峙するよう勧める。
「(再撮影のひとつは)ルークの登場する島のシーンで、ルークがレイを見ている場面です。編集が終わってから、映画が“何を言わせておくべきか”を教えてくれました。そこでセリフを録り直したんです。」
ブランドンの証言からは、ルークの登場シーンがどれほど撮り直されたのかは分からない。「セリフを録り直した」という言葉からは、あくまで最低限の修正のみが行われたとも推測されるが、やり取りが全体的に書き直され、全体的な収録をやり直した可能性も考えられるからだ。本作は撮影や編集の中でプロットが変更されていたことでも知られるため、脚本ではルークの出番がそもそも異なった可能性さえ否定できない。おそらく、その真相が明かされることはないだろう。
またブランドンによれば、映画の冒頭でミレニアム・ファルコンを乱暴に扱ったポー・ダメロンがレイに叱責される場面も「もっとユーモラスなやり取りにしたい」との意向から再撮影で変更されたものだという。さらにレイの初登場シーンにあたる、フォースの力で空中に浮かんだレイを、同じく宙に浮かんだ石が囲んでいる場面も追加撮影によるもの。そこにレイアを登場させるため、『フォースの覚醒』(2015)の未使用映像を再検討する作業も行われていたという。
『スカイウォーカーの夜明け』の公開後、本編から削除されたシーンが多数存在することが関係者によって証言されているほか、あくまで真相不明ながら、J・J・エイブラムスが本来構想した「J・Jカット」なるものが存在するのではないかという噂も流れている。いずれにせよ、本作が製作のプロセスで大きな変化を遂げていたことは確かだ。おそらく再撮影・追加撮影の時点で変更されたのは、このたび判明した3つのシーンに限ったことではないだろう。
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)より公開中。
Sources: Collider, Art of the Cut