『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』物語のカギは「レイは何者か」「フォースとは何か」 ─ 賛否両論『最後のジェダイ』の展開は「修正しない」

『スター・ウォーズ』新3部作の完結編であり、スカイウォーカー・サーガの締めくくりとなる映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の公開が少しずつ近づいている。いまだ謎に包まれたところの多い本作について、J・J・エイブラムス監督とともに脚本を執筆したクリス・テリオがヒントを示している。カギを握るのは、やはり主人公レイ(デイジー・リドリー)と「フォース」だ。
英Empireの取材にて、クリスは『スカイウォーカーの夜明け』を執筆するにあたっての“ふたつの疑問”について明かしている。
「ひとつはシンプルに、“レイとは何者なのか?”です。文字通りの意味だけではなくて、スピリチュアルな側面でも疑問ですよね。いかにして、レイはジェダイの精神の継承者となったのか。僕たちは“レイとは何者か”という問いに戻り続けていました。さらなるレイの物語が描かれるのかどうか、みなさんが関心を抱いていることは明らかです。だから、(背景などの)事実がどうかということだけでなく、キャラクターとしてのレイが何者なのかということをより大切に、一番満足できる回答をどうやったら出せるのかを考えました。受け継いだものを未来へと繋いでいくだけの勇気や意志、内面の強さ、力を、彼女はどうやって発見するのかと。」
またクリスは、“もうひとつの疑問”として「フォースはどれくらい強いのか」とも述べている。「フォースとはどういうもので、どれくらい強いのかが大切だったんです」。新3部作においては、レイとカイロ・レン(アダム・ドライバー)を繋ぐフォースの力などが特にフィーチャーされている。しかし、そもそもフォースとはなんだったのか。いったい、どれほどの力を持ちうるものなのか。あえて、根源的な問いかけに回帰しているということだろう。
これら2つの疑問は、前作『最後のジェダイ』(2017)でライアン・ジョンソン監督が描いたものにも直接的に繋がっている。ライアン監督はレイの過去について回答を出し、フォースの扱い方についても独自の解釈をもたらしたのだ(とはいえ、ルーカスフィルムの監修チームが承認したものではある)。『スター・ウォーズ』ファンの間では、J・Jが『スカイウォーカーの夜明け』でレイの過去や出生を描き直すのではないかという説も上がっていた。しかし同じくEmpireにて、J・J本人はこれを否定している。
「何かを修正しようとしたことは一度もありません。もし僕がエピソード8を作っていたら、また違ったことをやっていたとは思います。だけど、もしもライアンがエピソード7を作っていたら、それもまた違うものになっていたでしょう。とにかくテレビシリーズの経験から、僕は別の誰かが引っ張ってきたストーリーとキャラクターで創作することには慣れています。自分が作ったものから手を離し、信頼できる誰かに任せるのであれば、“自分ならこうする”というものとは異なる判断も受け入れなくてはいけない。そして再び戻るのなら、行われたことには敬意を払わないと。」
レイとは何者か、フォースはどれほど強いものなのか。おそらく『スカイウォーカーの夜明け』では、これまでに示されてきた以上の答えが描かれることになるだろう。完結編として大団円を迎えつつ、画期的でもあるという物語の結末には、果たして何が待ち受けているのか。
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)日米同時公開。