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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』なぜ全ての答えを出さなかったのか ─ J・J・エイブラムスが語る

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け ワールドプレミア 米ロサンゼルス
(C) 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、1977年『新たなる希望』に始まったスカイウォーカー・サーガの完結編だ。世にあまねく“完結編”と呼ばれる作品と同じく、この映画もまた、シリーズを通じて提示されてきた疑問のすべてには答えていない。現実的には“答え得ない”というのが真実だろうが、それでもクリエイターには「なぜ疑問に答えなかったのか」という疑問への答えが求められるのだから大変だ。

Popcorn with Peter Travers」に登場した脚本・監督のJ・Jエイブラムスは、「これが結論なのだと思ってもらわなければいけませんでした。終わらせなければいけなかった」と言い切った。しかし、同時に「まだ残っていることもあると思う」とも口にしたのである。

それが『スター・ウォーズ』だと思うから。だから僕はオリジナル3部作のことが大好きなんですよ。僕がプリクエル3部作よりもオリジナル3部作を愛しているのは、オリジナル3部作は大きな謎を提示してくれたから。自分の頭で考えることを許してくれたからです。」

J・Jはこのインタビューで、プリクエル3部作について「大好きなところはたくさんありますが、オリジナルほどのお気に入りではない」と語っている。それは皮肉にも、たくさんの疑問に答えたからだというのだ。

「つまり、僕はミディ=クロリアンについて知りたい人ではなかったということです。僕にとっては大事なことじゃなかった。だけどそれは、今回の映画が前8作に忠実にしなかった、すべてを受け入れた結末を語らなかったということではありませんよ。それほど好きではないからといって、そこに逆らうことはしませんでした。ともかく、みなさんは答えを求めるけれども、すべてを説明することが優れた物語のカギになると僕は思っていないということです。」

この言葉通り、『スカイウォーカーの夜明け』はいくつもの謎を残したまま幕を閉じた。しかし、「スカイウォーカー・サーガ」は本作をもって完結するが、今後も『スター・ウォーズ』は初のドラマ作品「マンダロリアン」のほか、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)の前日譚ドラマ、ユアン・マクレガーによるオビ=ワン・ケノービの単独ドラマ、そして『最後のジェダイ』(2017)ライアン・ジョンソン監督による新たな映画3部作、マーベル・スタジオ社長ケヴィン・ファイギが手がける新作映画が待機中だ。したがって、J・Jが答えを伏せておいた謎にも正式な答えが与えられるかもしれない。もっともその頃には、また新しい謎がたくさん生まれているのだろうけれど。

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)より公開中

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Sources: Popcorn with Peter Travers, Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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