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『tick, tick… BOOM!』アンドリュー・ガーフィールド、撮影開始前に亡くした母へ捧げた思い

tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!
Netflix映画『tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』独占配信中

映画『tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!』は、傑作ミュージカル『RENT』の生みの親にして、35歳という若さでこの世を去ったジョナサン・ラーソンの生きた証を綴った物語。主演のアンドリュー・ガーフィールドにとっては、撮影開始前に亡くした母親へ捧げた1作となった。このたび、米トーク番組にゲスト出演したアンドリューは、時に感情を高ぶらせながら、亡き母親への思いを改めて語っている。

2021年9月、アンドリューは『tick, tick… BOOM!』撮影開始前に母親を癌で亡くしたことを米The New York Timesに明かしていた。最愛の人を失った直後とあり、深い悲しみを抱えての撮影となったアンドリューは、トーク番組の司会を務めるスティーヴン・コルベアに「(母について)話すことは大好きです。もし僕が泣いてしまったとしたら、それは美しい涙です。全て、表現しえない愛なんですから」と切り出す。

続けて「悲しみは、乗り越えるまで残り続けるものです。たとえその人が60歳、15歳、99歳まで生きたとしても、十分な時間を一緒に過ごすことはできません」と語るアンドリュー。これは、『tick, tick… BOOM!』というタイトルが意味するところでもあり、夢に向かってひたすら物語を書き続けるがゆえに、大切な人と過ごすための時間を犠牲にしてしまうジョナサン・ラーソン自身を表してもいる。決して望まれたことではなかったものの、アンドリューは母親の死を通じて、生前のラーソンと同じ思いを抱いていたのだ。

この悲しみが僕の中に残り続けることを願っています。これ(悲しみ)は、僕が母に伝えることができなかった愛なんです。僕は毎日、彼女にこう伝えています。僕らにとって、最高の人間だったと。

tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!
Netflix映画『tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』2021年11月19日(金)より独占配信開始。一部劇場にて11月12 日(金)公開。

これは『tick, tick… BOOM!』劇中でも描かれることではあるが、ジョナサン・ラーソンは、『RENT』オフ・ブロードウェイのプレビュー公演を迎えたまさに当日、1996年1月25日の未明に急死した。アンドリューが「劇中ではジョナサン・ラーソン未完の曲を歌いました」と語っているように、『tick, tick… BOOM!』ではラーソンの人生が切り取られるだけではなく、彼の魂が継がれてもいるのである。そして、アンドリュー自身は歌いながら、亡き母親に感謝し、その喪失から立ち直る時間を過ごしていたのだ。

「僕は母のためにも歌っていました。彼女の未完の曲を。だから僕自身も、ジョン(ジョナサン)に恩があります。リン=マニュエル・ミランダをはじめ、僕をこの場所に導いてくれた全ての方に、人生で出会った一番美しい人に芸術を通じて敬意を払わせていただいたことに感謝しているんです。それは傷口を癒やすためにもなりました。」

何度も涙を堪える様子が印象的なアンドリューは最後に、ラーソンと同様に母親もアーティストであったことを紹介。ジョナサン・ラーソンと母親、亡き2人の芸術家の精神を受け継いだかのような澄んだ笑顔を見せ、噛みしめるようにしてこう語った。「2人とも芸術の力を理解していたし、そのために戦っていました。彼らは分かっていたんですよ。その世界を見つけた時から少しでも美しい状態に変えられる力が、芸術にはあると」。

Netflix映画『tick, tick… BOOM!:チック、チック…ブーン!』は独占配信中。一部劇場にて公開中。

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Source: The New York Times

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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