【レビュー】『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影<シャドウズ>』はココイチカレーのような映画【ネタバレなし】

マイケル・ベイ制作の映画『ミュータント・タートルズ』の続編『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影<シャドウズ>』が、8月26日(金)いよいよ公開となった。今作も相変わらずの『マイケル・ベイ節』というか『タートルズ節』が炸裂しまくる痛快作だった。

今作が上映される2016年夏はほかに『シンゴジラ』をはじめ『ジャングルブック』『ゴーストバスターズ』など、エンタメ大作がひしめいている。ニューヨークを舞台にコミカルな会話劇が切れまくる憎めないチームが敵と戦う今作の競合相手となるのは『ゴーストバスターズ』にあたるだろう。

この記事では、映画『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影<シャドウズ>』のレビューをネタバレ無しで書きたい。

前半は極限までシェイプアップされた理想筋肉体

前作同様、細かな説明は不要で、誰も傷つかず、一切の悲壮感もなく、とにかくキャラメル・ポップコーンをコーラで流し込みながら頭をカラッポにして身を預けられる2時間。ストーリーは前作から地続きになっているが、特に前作を観ていなくても充分楽しめる。レオナルド、ラファエロ、ミケランジェロ、ドナテロの4人のメンバーの説明はオープニングでサクっと済ませてくれるし、自分たちが影に隠れて活動している事、市民に姿を見せてはならないという運命についても冒頭でテンポよく語ってくれる。リーダー、頭脳派、タフガイ、そしてピザが大好きなお調子者という各々のキャラクターもすぐに理解できる。
とにかく前半部分のテンポの良さが痛快で、極限までシェイプアップされた脂肪分ゼロのマッスルムービーと言いたいくらいに、息付く間もなく見せ場が次々とやってくる。

ヴィランの魅力が溢れすぎている

http://crypticrock.com/teenage-mutant-ninja-turtles-out-of-the-shadows-movie-review/

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今作では、前作のヴィランであるシュレッダーが脱獄を行う。その過程でシュレッダー率いるフット・クランの一味になったビーバップとロックステディのキャラ立ちが半端ではない。90年代の洋画でよく見かけたような、『ノリの良いオモシロ黒人』にステロイドを打って、脳みそをダブルチーズバーガーと取り替えて血液をエナジードリンクに入れ替えたみたいなアホとノリと勢いだけでスクリーン狭しと暴れまわる。二人はサイとイノシシの姿に変えられてしまっても、ハルクやX-MENみたいにメソメソする事は一切なく「気に入ったぜぇー!」「マイメーン!」「ハッハッハー!」とか言いながらテンションMAXでタートルズらを襲う。ここまで清々しいヴィランはなんだか久しぶりだ。

さらに、科学者のバクスター・ストックマン博士も超魅力的。屈強な見た目とは裏腹に超オタクで、科学に対して純粋すぎるあまりただのマッドサイエンティストとなってしまっている。「フッヘッヘッヘ」と笑う姿に、シュレッダーすらちょっと引き気味になる描写が笑わせてくれる。なんとなく『キングスマン』でサミュエル・L・ジャクソンが演じたヴィラン、ヴァレンタインに通ずる所があるような気も。

吹き替えはどうなのコレ

一方で最大のヴィランとなるクランゲの扱いはちょっと残念だ。絵に描いたような『コミックの悪役』たる存在ではあるが、やや説明不足感や見せ場の少なさは否めない。それもこれも、ビーバップ&ロックステディーとストックマン博士の存在感が濃すぎたからだろうか。

基本的にトッピングが変わっただけ

映画タートルズ・シリーズはココイチカレーのようなものである。ベースとなるカレールウは同じなので、どのカレーを頼んでもチキンカツが乗っているのかソーセージが乗っているのかが違うだけで基本的に味は一緒だ。
『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影<シャドウズ>』も、前作から何かがアップデートされたとかいうわけではないし、マイケル・ベイのもう一つのブロックバスター作品シリーズ『トランスフォーマー』と何も変わらない。

ヒーロー達の「見えざる守護者」というコンセプトは共通している。おまけに、彼らと共に行動する人間は、美男美女が一組、普段は偉ぶってるけどいざとなると慌てふためいて助けを求めるミスター・サタン枠、始めはヒーロー達の存在を信用しないも次第に理解を示し協力側に回ってくれるニューヨーク警察…ハッキリ言ってトランスフォーマーと全く同じだ。
しかも今作でもニューヨーク上空に異世界への扉が開き、人々はあれは何だと空を仰ぎ、スマホカメラを向ける。空から未知の脅威が襲来して、ヒーローらが活躍して街は救われる…もはやテンプレートだ。

本編にバンブルビーも登場?

それでも今作鑑賞後にここまで清々しく「楽しかった!」と思える理由は、僕が『マイケル・ベイ作品』というカレールウが大好きで、『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影<シャドウズ>』というトッピングがマジでサイコーにイカしてたからだ。僕らはココイチのカレーが食べたいから店まで食べに行くし、マイケル・ベイのハチャメチャ・エンタメ・ムービーが観たいから『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影<シャドウズ>』を観に行く、本当にただそれだけの理由だ。他に何も求めていない。ココイチカレーをナンで食べたいとは思わない。変に壮大にしてほしくもないし、小難しい考察の余地も求めていないし、未確認脅威襲来時におけるリアリスティックな描写も必要ない。タートルズがピザ食って、スケートに乗ってヌンチャクや刀を振り回して、「ハッハッハー!」「イャッホーゥ!」と叫びながらフットクランを一掃する、それをワクワクしながら観るのが望みだ。

だから今作もいい意味で特筆すべきことは何もない。いつもどおり、普及点以上の爽快アクションを楽しませてもらえる。笑いがあって、スリルがあって、興奮があって。でも感動とか涙とかはない。それでいい、辛口スーパードライ・テイストなのだから!

というわけで、『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影<シャドウズ>』は何も考えずにスカッと爽快に楽しませてくれるお薦めの作品だ。今作においては、映画館に『観に行く』というより『遊びに行く』感覚で出かけてもらえればと思う。エロシーン、グロシーンなどは一切ないので、家族とも、恋人とも楽しめるよ!

『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』レビュー 一番気軽に入れるアメコミ映画!

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インド旅行中、たまたま現地新聞に写真を撮られて掲載されるというミラクルを起こしました。持ってる男。THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。

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