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2021年ヴェネツィア国際映画祭、中絶題材の仏映画に金獅子賞 ─ ペネロペ・クルスが女優賞、ジェーン・カンピオンが監督賞など

ヴェネツィア国際映画祭
Photo by Gianni Torre https://www.flickr.com/photos/124507345@N05/36586985330

ベルリン・カンヌにつづいて世界三大国際映画祭のひとつである、ヴェネツィア国際映画祭。この度、2021年9月1日から11日にかけて開催されていた本年度の授賞式が発表された。本記事では、Venezia 78/コンペティション部門のみの受賞結果を紹介する。

ヴェネツィア国際映画祭の最高賞である金獅子賞に選ばれたのは、レバノン出身の仏監督、オードレイ・ディワン最新作『L’Evenement(英題:Happening)』。クロエ・ジャオによる『ノマドランド』(2020)が昨年度の金獅子賞に輝いており、2年連続で女性監督作が最高賞を受賞する形となった。

アニー・エルノーによる同名小説が原作の『L’Evenement』は、1963年のフランスを舞台に、当時違法だった中絶手術(人工妊娠中絶)を受けようとする女子学生の苦悩や葛藤を描く作品。ディワン監督が怒りを抱えながら製作したという野心作への金獅子賞は、本部門の審査員長を務めた映画監督のポン・ジュノによると、審査員満場一致の決定だったとのことだ。

そのほか同部門の受賞作には、Netflix映画が勢揃いしている。パオロ・ソレンティーノによる『Hand of God -神の手が触れた日-』(2021年12月15日より独占配信開始)が銀獅子賞・審査員大賞、ジェーン・カンピオンによる『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021年12月1日より独占配信開始)が銀獅子賞・監督賞、マギー・ギレンホールによる『The Lost Daughter(原題)』(2021年12月31日より独占配信開始)が脚本賞に輝いた。『Hand of God 』は審査員賞のほか、フィリッポ・スコッティがマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を手にしている。

『Madres Paralelas(原題)』のペネロペ・クルス、『On the Job: The Missing 8(原題)』のジョン・アルシアが、それぞれ女優賞と男優賞を受賞。『Madres Paralelas』はペドロ・アルモドバル監督最新作で、出産を控えた病室で偶然にも出会ったふたりの女性を通して、監督が繰り返し描いてきた母性を紐解いていく作品だ。一方で、エリック・マッティ監督による『On the Job: The Missing 8』は、『牢獄処刑人』(2013)の続編で、同僚の謎の失踪事件を調査するジャーナリストと、一時的に解放されて暗殺を実行する囚人の物語を描く作品と伝えられている。また審査員特別賞は『Il Buco(原題)』に渡った。『四つのいのち』(2010)で知られる監督、ミケランジェロ・フランマルティーノの新作映画だ。

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Source: Deadline , Wild Bunch , IndieWire , NME

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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