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『バイス』主演クリスチャン・ベール「傑作ができた」と自信 ─ 史上最凶の副大統領、そして映画の魅力を語る

バイス
© 2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All rights reserved.

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2016)のアダム・マッケイ監督とクリスチャン・ベールが再びタッグを組んだ、映画『バイス』が2019年4月5日(金)に公開される。

本作でベールが演じるのは、“米国史上最凶”ともいわれた実在の副大統領ディック・チェイニー。このたび、先日発表されたゴールデングローブ賞で主演男優賞を射止めたベールが作品の魅力やチェイニー本人について語るインタビュー映像が到着した。

『バイス』のチェイニー役で主演男優賞を受賞したベールは、ゴールデングローブ賞の授賞式で「役柄のインスピレーションは悪魔(サタン=チェイニー)に授けてもらった」と述べて話題を呼んだ。この発言はサタン教会によって、「クリスチャン・ベールが才能と技術によって賞を勝ち取ったのは当然のこと。クリスチャンを讃えよ、サタンを讃えよ!」とSNSにて取り上げられることにもなっている。

しかしサタン発言のインパクトとは裏腹に、ベールは本作で、非常に地道かつ誠実な役づくりに取り組んだ。今回のインタビューでは、見た目を似せるだけでなく、チェイニーという人物の本質をつかもうとした演技アプローチが率直に明かされているのだ。

クリスチャン・ベール インタビュー全文

「ディック・チェイニーには才覚があった。政府を実質的に動かしていたんです。飲酒で逮捕経験のある男が、最年少で大統領首席補佐官を務めた。それも長年ですよ、驚きますよね。

奥さんのリンは彼の成功を支え続けた人で、学問の世界で素晴らしい才能を発揮した。一方のディックはイェール大学を中退していますが、権力争いには長けていたんです。ついには副大統領の地位を得て、史上最も強大な権力を握った。そして世界の情勢を永遠に変えてしまったんです。

彼の外見的な特徴に加えて本質をつかむのは、すごく大変な仕事でした。ただのモノマネは嫌だった。それだけでも十分に難しいんですが、10~15分もすれば観客は見飽きてしまう。だから、本質をつかもうとしました。

マッケイ監督とは、『今後、僕はできる限りチェイニーを肯定的な目で捉えてみようと思う』と約束しました。この映画をありきたりなものじゃなく、観客に驚きを与える作品にしたかったんです。政治的スタンスにかかわらず魅了される作品にね。

僕は、この作品に自分の政治観を持ち込むつもりはありませんでした。チェイニーの政治観を受け止めるべきだと思ったんです。素直に信じ、その立場からいい点や真実を探ってみる必要がある。そのおかげで、マッケイ監督とは意見をぶつけ合えました。彼は驚くほどオープンでした。即興演技も許してくれたし、監督の仕事を進めながら役づくりを手伝ってくれました。その結果、まさしく傑作と呼べるものができました。想像をはるかに超えて、観客の心を捉えるいい作品に仕上がっています。

映画の魅力は会話に尽きると思います。会話が繰り広げられ、そのエンターテインメント性の中に作品のテーマがある。この作品もすごく楽しめるんですが、同時にとてつもない鋭さがあるんです。苦しみも喜びも感じられる。この映画を観ていると感情があふれてきます。こんなに多くを感じる作品は初めてですよ、本当にそう思います。」

『バイス』

「バイス」、その意味は「副」「代理補佐」そして「悪」
本作はワイオミングの田舎の電気工から事実上の大統領へと上り詰め、アメリカ史上最も権力を持ったディック・チェイニー副大統領のオモテとウラを描いた社会派エンターテイメントだ。監督は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2016)が第88回アカデミー脚色賞を受賞、主要5部門にノミネートされたアダム・マッケイが務める。

VICE(原題)
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主人公チェイニー役は『ダークナイト』3部作や『アメリカン・ハッスル』(2013)のクリスチャン・ベール。チェイニーの妻役は『アメリカン・ハッスル』や『メッセージ』(2016)のエイミー・アダムス、ラムズフェルド国防長官役は『フォックスキャッチャー』(2014)『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(2017)のスティーブ・カレル、ブッシュ大統領役は『スリー・ビルボード』(2017)でアカデミー助演男優賞に輝いたサム・ロックウェルが演じる。

映画『バイス』は2019年4月5日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

『バイス』公式サイト:http://longride.jp/vice/

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THE RIVER編集部THE RIVER

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