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レイモンド・カーヴァーの傑作が現代に蘇る、『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』公開決定 ─ 独立運動を背景に描く、元夫婦の過去・現在・未来

新しい街 ヴィル・ヌーヴ
©L'unité centrale

村上春樹も愛するレイモンド・カーヴァーの名作短編が現代的に蘇る。カナダの新鋭が、人々の“独立”を描く長編アニメーション映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』が2020年9月より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国公開される。このたび、予告編やポスタービジュアルなどが公開された。

新しい街 ヴィル・ヌーヴ
©L’unité centrale

アル中の詩人ジョゼフは、思い出の地「ヴィル・ヌーヴ(新しい街)」に別れた妻エマを呼び出す。うまくいきそうに思えた二人だったが、独立運動の高まりとともに、その関係に新たな波乱が巻き起こる……。

本作のインスピレーションとなったのは、村上春樹の翻訳でも知られる短編の名手レイモンド・カーヴァーによる隠れた傑作小説『シェフの家』。過去に引きずられる男と、未来へ目を向ける女の再会と別れを淡々と描く20ページほどの短編が、1995年、カナダからの独立を目指して住民投票を行ったケベック州(フランス語圏)におけるカップルの物語として描かれる。カーヴァーの原作は、壊れた愛を再生しようとしてすれ違うカップルの普遍的かつロマンティックな物語でありながら、世界中で高まる独立運動や弾圧といった現代の社会問題にもリンクする寓話へと変貌を遂げた。

新しい街 ヴィル・ヌーヴ
©L’unité centrale

監督は、本作が初めての長編アニメーション作品となる新鋭アニメーション作家フェリックス・デュフール=ラペリエール。全編が墨絵の手描きによって生み出されるシンプルで奥深い映像美、随所に詩の朗読が挟まれる芸術的な構成が、これまでのアニメーションではあまり見られなかった成熟したテーマと物語を贅沢に語りあげる。

本作はヴェネツィア国際映画祭の「ヴェニス・デイズ」部門でプレミア上映されたのち、アヌシー、ザグレブといった世界的アニメーション映画祭でのコンペティション上映など、アニメーションのみならず映画界でも高い評価を受けている。

映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』は2020年9月より全国順次ロードショー

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THE RIVER編集部THE RIVER

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