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『DUNE/デューン』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、『ブラック・ウィドウ』スカーレット・ヨハンソンのディズニー提訴を支持

ドゥニ・ヴィルヌーヴ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/35397143143/

最新作『DUNE/デューン 砂の惑星』を控える映画監督のドゥニ・ヴィルヌーヴが、『ブラック・ウィドウ』(2021)をめぐる、スカーレット・ヨハンソンの米ウォルト・ディズニー・カンパニーに対する訴訟を支持する意志を表明した。

2021年7月29日(現地時間)、『ブラック・ウィドウ』の劇場・配信の同時公開は事前の契約に違反するものだとして、主演・製作のスカーレット・ヨハンソンがディズニーを提訴した。その後の続報は届いていないが、このたびヴィルヌーヴ監督は仏La Presseにて、ヨハンソンを全面的に支持すると語っている。

仮に、逆の立場だったら一体どうなっていたのかという話です。もし、我々のほうが契約に従わなかったとしたら? それに、あの映画を劇場で上映してうまくいかないと考える方が間違いです。だけど、この業界はジェットコースターのようなもので、ウォール街が安定を求めることには調和しないもの。その中で、サブスクリプションのプラットフォームはスタジオに一定の収入を保証します。私は、決してプラットフォームに反対しているわけではありません。映画の記憶を伝える素晴らしいツールだと思います。だけど、映画はまず大スクリーンから始めるべきです。私も今後、自分の映画はまず映画館で上映するという契約を求めていきます。」

米ワーナー・ブラザースが、2021年の劇場公開作品をHBO Maxにてすべて同時配信すると決定した際、ヴィルヌーヴは抗議の声明文を発表した。『ダークナイト』3部作や『TENET テネット』(2020)などのクリストファー・ノーランはワーナーとのパートナー関係を見直すことになり、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)のジェームズ・ガン、『イン・ザ・ハイツ』(2021)のジョン・M・チュウもワーナーの決定にショックを受けたといわれている。

抗議の声明を公開したことについて、ヴィルヌーヴは「自分の仲間が障害にぶつかっていたし、僕自身も本当に怒っていたので、声を上げなければと思いました。まずは自分の正気を保つために、自分の思いを表明しました」と言う。「(同時配信の)決定は、まるで背中を刺されたようなもの。今でも受け入れられません」。配給にまつわる今回ほどの変化は、映画製作のあり方や、映画言語の発展に大きな影響をもたらすものだと主張している。

Total Filmでも、ヴィルヌーヴは「まず、何よりも映画の敵はパンデミック。現在、映画業界が大きなプレッシャーのもとにあることは我々も理解しています」と述べた上で、やはり同時配信には反対であることを強調していた。「『DUNE/デューン』をテレビで見るなんて、バスタブでモーターボートを走らせるようなもの。バカげていると思います。大スクリーンでの体験に敬意を表する作品なのです」。

Sources: La Presse, Total Film

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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