タイカ・ワイティティ、世界最弱サッカーチームのW杯実話を映画化 ─ FOXサーチライト製作、『マイティ・ソー』続編以前の撮影へ

『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のタイカ・ワイティティ監督が、最新作『ジョジョ・ラビット』(2020年1月公開)を手がけるFOXサーチライト・ピクチャーズと再びタッグを組み、新作映画『Next Goal Wins(原題)』で脚本・監督を務めることがわかった。米Variety、Deadlineなど複数のメディアが伝えている。
報道によると、『Next Goal Wins』は2014年に製作されたイギリスのドキュメンタリー映画『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦』が原案。2001年、FIFAワールドカップ予選でオーストラリア代表に0対31という歴史的大敗を喫し、FIFAランキング最下位に10年以上君臨した“世界最弱”のサッカーアメリカ領サモア代表が、オランダ人新監督のもとで2014年のワールドカップ予選に挑んだ実話を描く。
タイカは本作で脚本・監督を務め、共同脚本には「思春期まっただ中」(2008-2010)のイアン・モリスが担当。タイカ監督の代表作『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』(2014)の米ドラマ版「What We Do in the Shadows(原題)」の脚本・製作総指揮を手がけたクリエイターでもある。プロデューサーには、同じく「What We Do in the Shadows」や『シンクロナイズドモンスター』(2016)のギャレット・バッシュが就任した。
本企画はFOXサーチライトとタイカの再タッグが先に決まったのち、スタジオが映画化権を取得したもの。『マイティ・ソー/ラブ&サンダー(原題:Thor: Love and Thunder)』の撮影が2020年8月に始まるのに先がけて、本作の撮影は2019年秋に始動する。急ピッチで企画が動いているとみられるため、キャスティングなどの情報も随時到着することだろう。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)が高く評価されたタイカ監督は、大友克洋の傑作漫画『AKIRA』のハリウッド実写映画版(企画保留中)に登板するなど、ハリウッドの巨大スタジオから熱い視線を注がれる一方、『ジョジョ・ラビット』でインディペンデント路線の中規模映画にカムバック。FOXサーチライトとの再タッグは、大作と中規模作品を両立するフィルモグラフィを強力に支えるものとなる。実話の映画化でも、ふたたび“ワイティティッシュ”な世界観とユーモア、豊かなドラマを見せてくれることだろう。
なおタイカ監督には、すでに高評価が漏れ聞こえてくる『ジョジョ・ラビット』が上映されるトロント国際映画祭にて「エバート・ディレクター・アワード(Ebert Director Award)」が授与されることが決定済み。映画批評家ロジャー・エバートの名前を冠した本賞は、映画界に大きく貢献した監督を評価すべく新設された賞で、タイカが初の受賞者となる。
Sources: Variety, Deadline(1, 2), IndieWire, /Film