【考察】英国で展開された『ウエストワールド』のプロモーションが、人間社会の終わりを予言している!

ツルツルクールなスキンヘッドでお馴染みのユル・ブリンナーが主演したSF映画の古典、『ウエストワールド』(Westworld)。かの名作をもとに、新たな発想とストーリーでリメイクされたTVドラマシリース、その名もズバリの『ウエストワールド』(Westworld)が、2016の10月から米国のHBOで放映されることは、皆さんもご存知のとおりである。

まあ今さら、様々なメディアで語り尽くされた『ウエストワールド』の概要をここで書き連ねても眠くなってしまうと思うので、ほんの一匙だけ簡潔に述べると、例のスピルバーグっ子のJ・J・エイブラムズが引っ張り込んできて、キャストには、ナイトの称号を持つイギリスの名優サー・アンソニー・ホプキンスや、ぼく個人としては『スターリングラード』(Enemy at the Gates)でのエルヴィン・ケーニッヒ少佐役が印象深いエド・ハリスなど、豪華なメンバーが出演しているという、なかなか期待の作品である。総製作費に5400万ドルもかけているというから、まさに『ゲーム・オブ・スローンズ』(Game of Thrones)と双璧をなすべくして現れたような存在であろう。

ちなみに余談だが、かつてのユル・ブリンナー主演の『ウエストワールド』は、SF作家でもあるマイケル・クライトンが監督と脚本を務めたザ・マイケル・クライトン映画であり、さらに余談だが、劇中で西部劇風のガンスリンガーを演じているユル・ブリンナー自身は、スイス人とモンゴル人の血を引く父親と、ユダヤ系ロシア人の母親との間に生まれた、ロシアのウラジオストク出身の俳優で、本名をユーリイ・バリーサヴィチ・ブリーネルという。そんなことを踏まえて改めて映画を観てみると、たぶん深みが増すはずである。
さて、本題に入ろう。
先頃イギリスで、この『ウエストワールド』のスカイ・アトランティックでの先行公開に向けて(ちなみに公開は2016年10月4日火曜日の21:00からだったそうであるが)、あるプロモーションが行われたようである。それはどんなものかと言えば、ロンドンのウエストミンスターにおいて、あの『ウエストワールド』の公式ポスターにも描かれている人体模型のようなヒューマノイド・ロボットが、街中や地下鉄の駅を歩き回るという、ちょっと不気味なものである。

もちろんこれは『ウエストワールド』のことを広く知ってもらうというプロモーションが大きな軸になっているのであるが、そのプロモーションのコンセプトの裏には、もし近い将来、そんな風にしてロボットが人間社会に入り込んできたら、一体人々はどう感じるのだろうか、ということを実際に体感させて考えさせるという趣旨も含まれていたそうである。
ただ現実問題として、来る数十年の間に、おそらくは20年とか30年とかいう短い期間の間に、そうなってくる可能性も否定はできない。だからもしかしたら、そんな世界の予告編的な、あるいは予言的な意味合いもあるのかもしれない、ちょっと怖いなあ。

例えば、ご存じの方も多いと思うが、あのPepper(ペッパー)である。もしかしたら、今これを読んでいる方の隣にはあなた専用のPepperがいるかもしれないが、「あのPepperってスカイネットだろ!」という話はずいぶん前から囁かれていることである。 ちなみに「Pepperってなによ?」という方に簡単に概要をご説明すると、「感情エンジン」と「クラウドAI」を搭載した世界初の感情認識パーソナル・ロボットで、昨今では普通に、ソフトバンク・ショップや家電量販店で購入が可能である。
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