【解説】ウルヴァリン最終作『ローガン』に登場する、謎の少女“ローラ”って誰?
早速だが、ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 3』 より、こちらの動画をご覧いただきたい。X-23、と呼ばれるキャラクターに焦点を当てた映像である。
映画『X-MEN』シリーズのスピンオフ映画、『ウルヴァリン』の第3作『ローガン(原題)』には、ウルヴァリンとプロフェッサーXに同行している謎の少女が登場する。プロフェッサーXが“very much like you(君にとても似ている)”と口にする、この少女の名前はローラ。彼女がX-23である。
しかしこのキャラクター、いったい何者なのか? 今回はローラことX-23について、『ローガン』の予告編とともに、原作での活躍を振り返ってみたい。
『ローガン』予告編より
予告編を見るかぎり、『ローガン』は年老いたプロフェッサーXと超回復能力を失ったローガンが、敵に追われながらローラを連れて回るロードムービーのようにも思われる。ローラもか弱い少女のように見える……が、予告編の1分24秒付近で敵を倒しているのはローラではないか? その姿は力強く、また華麗である。また予告編の終盤で、ローガンと対立している爪の持ち主も彼女かもしれない。しかし残念ながら、予告編からこれ以上のことを推測することはできない。

コミックに登場する“X-23”
そもそも“X-23”をなんと読めばいいのか? なんとなく「エックス、ニジュウサン」と読みたくなるところだが、「エックス・トゥエンティスリー」が正しい読み方だ。ウルヴァリンの23番目のクローンなのでこの名称がついている。ウルヴァリンの遺伝子でも、Y染色体が手に入らなかったために女性型になったらしい。
つまりローラはウルヴァリンのクローンなのだが、その能力は彼とは少し違っている。腕にはアダマンチウムの爪があるが、ウルヴァリンの3本に対して、ローラは2本しかない。また足には1本の爪がある。超回復能力と超感覚を持つが、骨格は強化されていない。ローラは作成時に脳に細工をされており、特定の匂いを嗅ぐと「バーサーカー・レイジ」という攻撃モードにも切り替わることができる。その強さは、ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 3』をプレイして体感してほしい。
アニメで初登場したキャラクター
そんなローラだが、その初登場はコミックではなくアニメである。日本でもカートゥーンネットワークで放送されていた『X-メン:エボリューション』に初登場したのち、コミックに逆輸入されたキャラクターなのだ。通常はコミックで初登場して、あとから映画やアニメに登場するものだが、いわゆる“逆輸入キャラ”は最近では珍しくない。映画『スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クインも、同じくアニメからコミックへと逆輸入されたキャラクターである。

コミックにおけるローラの動向
何十年と続くマーベル・コミックの歴史でも、ローラは比較的新しいキャラクターであり、原作コミックの初登場も2003年である。新しいキャラクターは人気が出にくいが、ローラは大人気キャラクターへと上りつめ、満を持しての映画への登場となった。
ローラがX-メンの世界に参加したのは、「アンキャニィX-MEN」誌。コミック界での初登場は意外なことにX-MENシリーズではなく単発シリーズの「NYX」誌である。これは若手のミュータントを描いたシリーズであった。エグゼビア学園に迎えられたローラは、ローガンの保護下で殺人鬼として生み出された過去と向き合いつつ、人としての感情を養っていく。
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