【解説】ウルヴァリン最終作『ローガン』に登場する、謎の少女“ローラ”って誰?

早速だが、ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 3』 より、こちらの動画をご覧いただきたい。X-23、と呼ばれるキャラクターに焦点を当てた映像である。

映画『X-MEN』シリーズのスピンオフ映画、『ウルヴァリン』の第3作『ローガン(原題)』には、ウルヴァリンとプロフェッサーXに同行している謎の少女が登場する。プロフェッサーXが“very much like you(君にとても似ている)”と口にする、この少女の名前はローラ。彼女がX-23である。

しかしこのキャラクター、いったい何者なのか? 今回はローラことX-23について、『ローガン』の予告編とともに、原作での活躍を振り返ってみたい。

『ローガン』予告編より

予告編を見るかぎり、『ローガン』は年老いたプロフェッサーXと超回復能力を失ったローガンが、敵に追われながらローラを連れて回るロードムービーのようにも思われる。ローラもか弱い少女のように見える……が、予告編の1分24秒付近で敵を倒しているのはローラではないか? その姿は力強く、また華麗である。また予告編の終盤で、ローガンと対立している爪の持ち主も彼女かもしれない。しかし残念ながら、予告編からこれ以上のことを推測することはできない。

https://www.youtube.com/watch?v=Div0iP65aZo (C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

https://www.youtube.com/watch?v=Div0iP65aZo (C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

コミックに登場する“X-23”

そもそも“X-23”をなんと読めばいいのか? なんとなく「エックス、ニジュウサン」と読みたくなるところだが、「エックス・トゥエンティスリー」が正しい読み方だ。ウルヴァリンの23番目のクローンなのでこの名称がついている。ウルヴァリンの遺伝子でも、Y染色体が手に入らなかったために女性型になったらしい。

つまりローラはウルヴァリンのクローンなのだが、その能力は彼とは少し違っている。腕にはアダマンチウムの爪があるが、ウルヴァリンの3本に対して、ローラは2本しかない。また足には1本の爪がある。超回復能力と超感覚を持つが、骨格は強化されていない。ローラは作成時に脳に細工をされており、特定の匂いを嗅ぐと「バーサーカー・レイジ」という攻撃モードにも切り替わることができる。その強さは、ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 3』をプレイして体感してほしい。

アニメで初登場したキャラクター

そんなローラだが、その初登場はコミックではなくアニメである。日本でもカートゥーンネットワークで放送されていた『X-メン:エボリューション』に初登場したのち、コミックに逆輸入されたキャラクターなのだ。通常はコミックで初登場して、あとから映画やアニメに登場するものだが、いわゆる“逆輸入キャラ”は最近では珍しくない。映画『スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クインも、同じくアニメからコミックへと逆輸入されたキャラクターである。

http://comicvine.gamespot.com/x-23/4005-3560/

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コミックにおけるローラの動向

何十年と続くマーベル・コミックの歴史でも、ローラは比較的新しいキャラクターであり、原作コミックの初登場も2003年である。新しいキャラクターは人気が出にくいが、ローラは大人気キャラクターへと上りつめ、満を持しての映画への登場となった。

ローラがX-メンの世界に参加したのは、「アンキャニィX-MEN」誌。コミック界での初登場は意外なことにX-MENシリーズではなく単発シリーズの「NYX」誌である。これは若手のミュータントを描いたシリーズであった。エグゼビア学園に迎えられたローラは、ローガンの保護下で殺人鬼として生み出された過去と向き合いつつ、人としての感情を養っていく。

http://comicvine.gamespot.com/images/1300-265311

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のちにローラは、学園ものコミックである「X-men:Academy」誌に登場。同年代の若手ミュータントとともに、学生としてミュータント能力の制御と学習を行っていく。本来は戦闘を目的としていないチームにいたものの、必然的に戦闘に巻き込まれることに。また学園ものコミックらしく、ローラにもロマンス展開があったりする。ちなみにこの時点ではX-メンの正式メンバーではない。

http://comicvine.gamespot.com/x-23/4005-3560/

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その後ローラはX-forceという殺人部隊に参加し、主力メンバーとして、ミュータントの存続のため極秘ミッションをこなした。

このX-forceで、ローラは大活躍を果たしている。『メシア・コンプレックス』というストーリーラインでは、映画『X-MEN2』にも登場したレディ・デスストライクとの一騎打ちで勝利をおさめ、ミッションに大きく貢献した。さらに一人でシールドの基地に潜入したり、殺人ウイルスに感染してマグマで消毒したり、腕を切断されたりと波瀾万丈な活躍をするが、ウルヴァリンの「一人の人間として生きてほしい」という要望を受けて殺人部隊を離脱する。『メシア・ウォー』というストーリーラインでは、かつての友人を悩んだ末にある意味で安楽死させるシーンや、仲間を助けるため半ば自分の命を差し出そうとするシーンがある。これら二つのストーリーで、ローラは人間らしくもあり、また殺人兵器らしくもある。ぜひ和訳版をお読みいただきたい。

http://www.cinemablend.com/new/5-Characters-X-Force-Was-Looking-Movie-102517.html

http://www.cinemablend.com/new/5-Characters-X-Force-Was-Looking-Movie-102517.html

ちなみに、その後は「Avengers:Academy」誌に登場したり、ファンタスティック・フォーのベビーシッターをやったり、ガンビットと旅をしたりしていた。今は亡きウルヴァリンのあとを継いで、ウルヴァリンとして活躍しているキャラクターなのである。

http://marvel.wikia.com/wiki/All-New_Wolverine_Vol_1_1

http://marvel.wikia.com/wiki/All-New_Wolverine_Vol_1_1

映画での活躍を予想!

冒頭に触れたように、『ローガン』予告編の終盤をみると、劇中のローラはウルヴァリンと対立しているのではないかと想像できる。原作の設定には「バーサーカー・レイジ」と呼ばれる状態があり、その脳に組み込まれた殺人プロトコルによって、ローラの意思とは無関係にローガンもしくはプロフェッサーXを殺そうとしてしまい、戦いに発展しているのではないだろうか。

また原作コミックでは、ファシリティーと呼ばれる組織がローラを作成した設定となっている。映画『X-MEN:アポカリプス』のエンディングには、ストライカーの研究施設をエセックス社が後始末しているシーンがあった。もしや、エセックス社がローガンの遺伝子を持ち去り、ローラを極秘に作り上げたのだろうか?

最後に、現在の予告編と、原作序盤のローラの活躍から、『ローガン』のストーリーを独自に予測してみよう。物語は、『X-MEN』シリーズおなじみの装置、セレブロ等でローラの存在を知ったプロフェッサーXが、ローガンと協力してエセックス社の施設からローラを助け出す所から始まるのではないか。ウルヴァリンがエセックス社の追手をウルヴァリンが倒すも、次はローラと戦うことになるとしたら……。もしかすると、ローラはウルヴァリンに倒されることで「バーサーカー・レイジ」から開放され、ローガンの後を継いでX-メンに参加するという展開が待っているかもしれない。今から大変楽しみである。

ウルヴァリン最終作『ローガン』予告編が公開!ヒーロー映画とは思えない渋みと楽曲の和訳

Eyecatch Image: https://www.youtube.com/watch?v=Div0iP65aZo
(C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

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アメコミ、映画が大好きです。小学生のときからMarvelにハマっています。

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