なぜブラック・ウィドウは『シビルウォー』でアイアンマン側についたのか
戦地で背中を預けあったアベンジャーズの面々が袂を分かつ、マーベル映画最新作『シビルウォー』では、あのヒーローはキャプテン・アメリカかアイアンマンのどちら側につくのか、というのも見どころのひとつである。
中でもブラック・ウィドウの同行には注目したい。素性がスパイである事から本心が分かりにくく、また『キャプテン・アメリカ / ウィンター・ソルジャー』ではキャプテン・アメリカと行動を共にし、協力して危機を乗り越えている。
ところがシビルウォーではチーム・アイアンマンに加勢している。『シビルウォー』を観れば、ストーリー上の理由はわかるのだが、なぜ制作陣は彼女をあえてキャップ側につけなかったのか。同作のエグゼクティブ・プロデューサー、ネイト・ムーアが説明する。
なお、以下の説明の中にはほんのりネタバレとなるような言及も含まれている。まだ『シビルウォー』をご覧になっていない方は注意してほしい。
「(ブラック・ウィドウのポジションに)論理的整合性を持たせるために、たくさん話し合いをしました。別の映画や、『アベンジャーズ / エイジ・オブ・ウルトロン』で初登場したキャラクター、アイアンマン1から存在するキャラクターがいる中で、それは彼らにとって不誠実だと感じさせないような視点をもたらす事でした。
時に、片側のみにつけるべきではないと判断したキャラクターもいます。ブラック・ウィドウがアイアンマンに付くというのは、我々にとっても予想外でした。でも、ストーリーテリングの観点から話し合いを進めるうちに、これは実に的を得ているなと思うようになりました。
なぜなら、ブラック・ウィドウというのは我々が彼女を信用する以上に実用主義的なのです。時に彼女は、とても感情的なトニー・スタークとは違った角度から解決策を見出すのです。たとえ彼らが同じものに反応しないとしても、彼らが下す決断は結局同じ。
私たちは、どのキャラクターがどの位置で落ち着くかについて、個々の性格を徹底的に話し合いました。」
ブラック・ウィドウに限らず他のメンバー達も、明確にどちらかを選ぶなんて出来ないはずだ。キャプテン・アメリカとアイアンマン、両者の間で揺れる彼らの心情を探りながら鑑賞するのも、『シビルウォー』の楽しみ方のひとつである。