『ワンダーウーマン 1854』幻のアイデア、ザック・スナイダーが明かす ─ スティーブと出会う前のダイアナ、世界の戦場を駆け巡る

『マン・オブ・スティール』(2013)に始まるDCエクステンデッド・ユニバースを率いたザック・スナイダーが、かつて構想していたという『ワンダーウーマン』シリーズの前日譚の詳細を英Empireに明かした。『ワンダーウーマン 1854』というタイトルまで付けられていた幻の物語だ。
2021年、スナイダーはガル・ガドットが演じるワンダーウーマンがずっと昔の時代に兵士たちと並ぶ姿を捉えた写真をTwitter(現X)に公開。スナイダーによれば、『ワンダーウーマン 1854』と呼ばれたこの物語では、スティーブ・トレバーと出会う前のダイアナがアレスを探しに世界各地の戦場を飛び回っている、という設定だったそう。写真は、後に『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023)に参加することになるカメラマンのステファン・バークマンによって撮影されたという。
Wonder Woman 1854 – This amazing image shot by Stephen Berkman of an else-world, war weary Diana, who had chased Aries across the battlefields of the world and had yet to meet Steve, who would help her restore her faith in mankind and love itself. pic.twitter.com/eofkAMg9as
— Zack Snyder (@ZackSnyder) January 5, 2021
写真の投稿から3年、同企画について改めて口を開いたスナイダーは、「あのアイデアは、初期の頃にやっていたリフのようなものです」と説明。「ワンダーウーマンがアレスを探しに島を出た後、別の物語ではどうなっていたか?と。僕は、彼女はアレスを探しに世界を旅し、なかでも衝突がある場所に行っていただろう、と考えました」と語っている。
パティ・ジェンキンス監督による『ワンダーウーマン』シリーズ2作では、ヒーローとしてのワンダーウーマンの活躍にフォーカスされる一方、不死身であることの葛藤もスティーブとの恋を通して描かれた。スナイダーによれば、『ワンダーウーマン 1854』でも同様のテーマが扱われていたようだ。
「彼女は戦場で恋人や兵士たちと出会いました。彼らは皆歳を取っていきます。彼女は不死身ですからね。10年間恋人になったところで、戦いで命を落としてしまうかもしれない。彼らの多くが悲しい思いをしたはずです。彼女が次の若い兵士の隣で優しくしている姿を見て、“俺はもうおしまいなのか”と。それでも、彼女が一緒に過ごした兵士はみんな忠誠心を持った兵士たちだったと思います。」
スナイダーは物語の行く先として、最終的にダイアナが19世紀に起きたクリミア戦争でスティーブと出会う、という筋書きまで検討したという。しかし、「脚本に書かれることはありませんでした」とスナイダー。「たくさん話し合いましたし、そこには確かに独自の物語がありました」と振り返った。
ガドット版『ワンダーウーマン』シリーズは当初、ジェンキンス監督の続投により3作目が企画されていたものの、DCユニバースの刷新により頓挫。事実上の打ち切りを迎えることになった。ジェームズ・ガン&ピーター・サフラン率いる新ユニバースでは、ワンダーウーマンの故郷セミッシラを描くテレビシリーズ「パラダイス・ロスト(原題)」と、ワンダーウーマンのアニメーション作品(タイトル未定)が企画されていることが分かっているが、ガドットが続投するかは不明だ。
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Source:Empire