『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ウンパルンパ役にヒュー・グラント、小人症俳優が問題提起 ─ 「締め出されているような気持ち」

あの「チャーリーとチョコレート工場」のウィリー・ウォンカとチョコレート工場の誕生秘話を描く映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』におけるウンパルンパ役の配役がにわかに物議を醸している。小人症の俳優ジョージ・コッペンが、英BBCにてキャスティングについての問題を提起した。
『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)でイウォーク役を演じたウィリー・コッペンを父に持つコッペンは、ディズニープラスのTVシリーズ「ウィロー」(2022)やNetflix映画『スクール・フォー・グッド・アンド・イービル』(2022)に出演する若手俳優。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ではウンパルンパ役をヒュー・グラントが演じるが、このことにコッペンは疑問を感じているようだ。「(小人症の)俳優は、愛する産業から締め出されているような気持ちです」と当事者としての想いを吐露している。
「私自身も含めて、多くの人が日々、小人症の人間がドラマなどで当事者としてのオファーを受けるべきだと話していますが、実際にオファーが来ることはありません。ひとつのドアが閉められている状態で、次のドアを開けることが忘れられてしまっているんですよ。」
ジョニー・デップ主演『チャーリーとチョコレート工場』(2005)でウンパルンパ役を演じたのは、小人症の俳優ディープ・ロイ。かつて『夢のチョコレート工場』(1971)でも、工場で働くウンパルンパ役はすべて身長の低い人物が演じてきた経緯がある。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』で監督を務めるポール・キングは、グラントを起用した理由として、原作を読み返していたときに「ウンパルンパのキャラクターがヒューっぽい」と閃いたことがきっかけだと語っているが、コッペンたちの主張をどう捉えるだろうか。コッペンは以下のように語る。
「彼(ヒュー・グラント)の頭を大きくしたから、彼の頭は大きく見えるんですよね。いったい何をしてるんだ、と思いましたね。言っておきますが、私はウンパルンパに完璧な敬意を持ったサイズですよ。」
映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は2023年12月15日、日米同時公開。
Source: BBC