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【ネタバレ】『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』撮影直前、舞台裏もワイルドだった ─ 脚本を大幅変更、中盤シーンをクライマックスに

ワイルド・スピード/スーパーコンボ
©UNIVERSAL PICTURES

この記事には、映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』のネタバレが含まれています。

サモアの再会、映画中盤の予定だった

ワイルド・スピード/スーパーコンボ』では、ショウの妹ハッティの体内に埋め込まれたウイルスを抽出する装置を手に入れるべく、ホブス&ショウとハッティの3人が、ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所跡にあるエティオンの施設に潜入する。ホブス&ショウがあっけなくブリクストンに捕まって拷問を受けるなど紆余曲折ありつつも、3人は装置を手に入れて施設を脱出。ところがブリクストンからの激しい逃走劇の末に装置は壊れてしまう。そこでホブスが思いついたのは、疎遠になっているメカニックの家族を頼り、そこで抽出装置を直してもらうという手段だった。

かくして物語の舞台は、ホブスの故郷であるサモアへと移る。兄ジョナにホブスがぶん殴られるも、母がジョナをどやしつけたことで家に入ることができたのもつかの間、ウイルスのリミットは容赦なく迫る。ブリクストンも追ってくる中、ホブス&ショウは自信なさげなジョナをどやしつけ、なんとか装置を作動させてウイルスの抽出を開始。いろいろあってブリクストンにさらわれたハッティを取り戻すべく、ホブス&ショウとホブスファミリーは結託。激しいチェイスを繰り広げた果てに、ホブス&ショウとハッティ、ブリクストンは崖下での最終決戦に挑む。

とにかくアクションの連続によって展開するため、ストーリーを細部まで説明することは控えたが、いずれにせよ『スーパーコンボ』の物語はホブスの故郷サモアで幕を閉じる。しかし米CBR.comのインタビューにて、デヴィッド・リーチ監督は、「撮影直前まで、脚本では(サモアのシーンが)第2幕で、最後がチェルノブイリのシーンだったんです」と語っている。これを入れ替えることを決意したのは、サモアのシーンのロケハンで監督がハワイを訪れた後だったという。

「ロケハンに行ったあと、ファミリーというテーマや、大切な人たちと再び繋がるというテーマがわかってきたんです。(ホブスが)家族のもとを訪ねて、許しを求めたり、仲直りしたりすることを描くために世界の危機を描いてはいけないと思いました。だけど、(映画は)サモアで終わらなくてはいけないな、と。」

ワイルド・スピード/スーパーコンボ
©UNIVERSAL PICTURES

実際、ホブスが故郷に戻ることを決意するのは、世界を危機から救うためだけではない。装置が壊れた以上、自分が死ぬしかないと主張するハッティと兄であるショウのやり取りを目の当たりにしたからなのだ。製作当時、物語の中盤にあったサモアのシーンを終盤に移動させ、クライマックスになる予定だったチェルノブイリを繰り上げるというアイデアは、製作総指揮を兼任するドウェイン・ジョンソンにも支持されたという。脚本家のクリス・モーガンも「やり方はある」として提案を引き受けた。

「結末をサモアにするのは筋が通っていました。(サモアのシーンには)大きなテーマがあります。家族と再び繋がること、人間対機械、人間は正しいことを信じられるのか。ホブスとショウはその回答を見せてくれます。世界を守るために協力できなかった二人が、最後には悪役を相手に慈悲をみせる。人間らしさが顔を出して、家族や島を守るんです。すべてがこの美しい土地でひとつになる。しかも言葉ではなく、むしろ詩的な形で。」

多くは語られていないが、脚本のある段階においては、ホブス&ショウとブリクストンが崖下で繰り広げる決戦は、チェルノブイリでのチェイス後に待ち構えていたのかもしれない。ともあれ、物語のテーマをより適切に絞り込むために脚本には大幅な変更が加えられ、サモアからチェルノブイリではなく、チェルノブイリからサモアへと展開の順序が入れ替えられた。

ワイルド・スピード/スーパーコンボ
©UNIVERSAL PICTURES

「『ワイルド・スピード』シリーズには深いテーマがあるべきでしょう?」と語るリーチ監督は、本作を手がけるにあたって、ひいては映画を作るにあたって、こんな言葉を残してもいる。「監督として物事を考える時には、たとえ車とヘリコプターを繋げて崖から飛び出させるような時でも、自分のこだわりを見つけなければいけないんです」

映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』は2019年8月2日(金)より大ヒット公開中。

『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』公式サイト:https://wildspeed-official.jp/

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Source: CBR

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。外部寄稿に『TENET テネット』『ジョーカー』『シャザム!』『ポラロイド』劇場用プログラム寄稿など。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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