『ワンダーウーマン 1984』10分カット前の仮編集版あり ─ 「切り捨てるのは辛かった」「面白いシーン」と監督

DCコミックスのスーパーヒーロー、ワンダーウーマン/ダイアナ・プリンスの新たな物語を描く『ワンダーウーマン 1984』は、141分(2時間21分)あった前作からおよそ14分長い155分(2時間35分)でおくられる。ダイアナの幼少期や元恋人スティーブとの再会、ダイアナの前に立ちはだかる2人のヴィランとの激闘など、注目のシーンが続出する本作では、苦渋の決断の末にカットせざるを得なかったシーンが約10分あるのだという。
米Digital Spyのインタビューに応じたパティ・ジェンキンス監督によれば、最初の仮編集版で仕上がった本編の尺は2時間45分。監督は「個人的には、この映画の(進行)ペースがもう少し遅ければ良かったなって思ってます」と本音を語っている。カット前のバージョンの方が気に入っていたということだろう。
「ゆっくりと時間をかけた大作映画を観て育った」というジェンキンス監督は、「現代のスタジオのシステムでは、それ(時間をかけること)がとても不愉快に捉えられる」と語る。「なので、妥協するに至ったわけです。自分の希望よりも少しだけ短くしました」。つまり、スタジオ側の要求で削らざるを得なかったということになる。とはいえ、監督がカットを余儀なくされた要因にはスタジオの意向だけでなく、キャスト陣を巡るとある「問題」が関係しているようだ。ジェンキンス監督は以下のように続けている。
「この映画では問題がありました。ワンシーンを撮る度に、出演者がアドリブしたり、クールな姿が撮れちゃったりするので、ただただ(カットが)多すぎたんです。アクションシーンが長くなればなるほど、面白いシーンも増えていきましたね。愛しいものを切り捨てるのはとても辛かったです。」
“愛しい”シーンの例として、ジェンキンス監督は「スティーブとダイアナがワシントンD.C.を歩く」場面を挙げている。「ここにはカットされてしまった面白いシーンがもっとあったんです」。その一方で、素直にNGとなったシーンもあるようで、監督いわく「2人がタクシーを呼び止める場面は全然面白くなかった」という。このシーンはスティーブとダイアナ、つまり演じるクリス・パインとガル・ガドットによるアドリブだったのだろうか…。
ともあれ、本作はジェンキンス監督の本意に反してカットされてしまった“面白い”場面が盛りだくさんということで、早くもディレクターズ・カット版の製作にも期待したいところだ。
映画『ワンダーウーマン 1984』は2020年12月18日(金)より全国公開中。
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Source: Digital Spy