『X-MEN:ファイナル ディシジョン』にフェイク脚本の裏話 ─ 監督降板、干されかけるも後に成功

旧20世紀フォックスによる『X-MEN』シリーズ3作目『X-MEN:ファイナル ディシジョン』で一時監督に就任しながら降板していたマシュー・ヴォーンが、同作に関する驚くべき裏話を披露している。ニューヨーク・コミコンで語られた内容を、米ScreenRantが報告した。
今では『キック・アス』や『キングスマン』シリーズでよく知られるヴォーンだが、当時はまだ確たる監督作を持っていなかった。『X-MEN』シリーズ3作目のメガホンを取ること担ったヴォーンがある重役のオフィスを訪ねると、『X3』と書かれた見慣れぬ脚本草稿があった。ヴォーンは「これは何ですか」と尋ねたが、重役は「気にしなくていい」と取り合わない。「私が監督です。この草稿は気になります」と食い下がって草稿を開いた時のことを、ヴォーンは「狂気的な瞬間だった」と振り返っている。その草稿の1ページ目には「アフリカ。ストーム。子どもたちは水不足で死にかけている。彼女は雷雨を起こし、子どもたちを救う」と記されていたという。
この書き出しについてヴォーンは「クールだと思った」が、実はこの草稿、まだ続投が決定していなかったストーム役のハル・ベリーに読ませて、出演契約にサインさせるためだけに拵えられた“おとり草稿”。ベリーにとって気持ちの良い見せ場が用意されることを示し、いざ彼女が出演契約を結んだら、これは「ゴミ箱に捨てる」のだと、重役は発言したという。「オスカー女優に、そんな手を使うのか」とヴォーン。怒りからか、それとも呆れからか、その瞬間に「もう辞めてやる」と考えた。
ヴォーンは他にも、『X-MEN2』(2003)は傑作だったと考えており、ブライアン・シンガーの後を継いで監督役を担うことを不安に感じていたことや、完成版では終盤に登場したゴールデンゲート・ブリッジの場面は第二幕のはじめに描かれる予定であったこと、ワシントンでの「クレイジーな」アクションシーンが検討されていたことも明かしている。また、当時は「世間知らずだった」というヴォーンは、ハリウッド式の予算・スケジュール管理方法にも不安を感じてたという。
先の重役による発言かはわからないが、ヴォーンは降板を申し出た際、「君は二度とこの街(ハリウッド)で仕事ができないぞ」とも言われたそうだ。当時、ヴォーンもその発言を信じていたという。
しかし数年後、ヴォーンは独自のスーパーヒーロー映画『キックアス』(2010)で評判を掴む。「二度とこの街で仕事ができない」と言った男も『キックアス』を鑑賞すると、「あの時の発言は、ほら、本意じゃなかったんだよ」と電話をよこしてきたそうだ。
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Source:ScreenRant