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若者の”フォース離れ”深刻に…若い世代「フォースなんて見たことがない」

「近頃の若者は、フォースを知らない…。」近年、若者の間で”フォース離れ”が深刻化している。

それも当然だ。数多くのジェダイが所属していたジェダイ評議会は、BBY19にパルパティーン最高議長によって発令されたオーダー66によって解散に追い込まれてしまった。これによって、フォース感応者の人口が激減。フォースやジェダイらは今や伝説として語り継がれている。

今の若者は、フォースについてどう考えているのだろうか。宇宙海賊として数々の惑星を旅するHさんは、「インチキに決まってる」と話す。

「銀河中を旅して、不思議なものをたくさん見てきました。でも、全てを結びつけるフォースなんてものは見たことがありませんよ。」

一体、フォースが隆盛を極めた時代とはどのようなものだったのか。THE RIVERでは、かつてジェダイ・マスターだったと語るBさんに話を聞いた。

「私はジェダイ・ナイトでした」Bさんは白く蓄えた顎髭を撫でながら、遠い目で語る。
「数万年の間、ジェダイは旧共和国の平和と秩序を守ってきました。帝国の暗黒支配が始まるまで…。」

Bさんは、オーダー66の執行者であるダース・ベイダー氏の”マスター”であったという。驚くべきことに、ベイダー氏もかつてジェダイだったと言うのだ。

「私の弟子だったダース・ベイダーというジェダイが帝国に寝返り、次々とジェダイたちを殺しました。ジェダイはほぼ殲滅。その男はフォースのダークサイドに堕ちてしまったのです。」

現代ではその実態があまり知られていないフォースとは、一体どのようなものだったのか。そう聞くと、Bさんは微笑んだ。

「フォースは、ジェダイの力の根源です。生命体が作り出すエネルギーの場で、銀河全体を覆い、結びつけているのです。」

http://www.mtv.com/news/2906063/rogue-one-gareth-edwards-jedha-jedi/
http://www.mtv.com/news/2906063/rogue-one-gareth-edwards-jedha-jedi/

現在でもフォースを信仰する熱心な世代は、若い世代を獲得しようと、様々な取り組みを行っている。惑星ジェダでは、フォースとジェダイ伝説を今に伝えるセミナーが定期的に開催されている。参加者のCさんに話を聞いた。

「全てはフォースのお導きだ」盲目のCさんは、白く澄んだ目で何かを悟ったように答えてくれた。「(フォースのおかげで)恐いものは何もありません。」

Cさんはフォースを感じ取ることはできない。しかし、ジェダイ伝説に魅了され、ジェダイ流の精神と肉体鍛錬を実践している。そのおかげで、目で見る以上のものが”見える”ようになったそうだ。

「フォースと共にあらんことを」そう言うと、Cさんは杖をつきながら立ち去った。

取材を進める中で、筆者は最近になってジェダイ修行を始めたLさんという若者に出会った。Lさんは田舎町で実家の農業を手伝っていたが、帝国軍によって家族を殺害され、やりきれない気持ちをジェダイ修行にぶつけている。

Lさんは、視界を遮断するヘルメットを着用し、光り輝く不思議な剣で演習用ドロイドの射撃を弾くという練習を見せてくれた。しかし、当然ながら失敗する。
筆者が呆れ顔でその様子を見ていると、ヘルメットを外したLさんに「信じないんですか?」と迫られた。

この取材を通じて、筆者はフォースというものがますますわからなくなった。信仰を強要するようなLさんの目つきには、少し恐ろしさも感じた。また、ジェダイ伝説を語ってくれたB氏の武勇伝もにわかに信じがたいし、フォースについての説明も具体性に欠ける。
現代では科学技術も発達し、若者には新しい娯楽が溢れている。価値観が多様化したこの時代において、若者がフォースやジェダイといった絵空事にそっぽを向くのは当然の流れなのではないだろうか。

ところで、Lさんが操っていた光る剣は一体なんだったのか。Bさんによれば、それはライトセーバーという代物だそうだ。Bさんは自慢げに紹介してくれた。

「無粋なブラスターと違って、もっと文化的だったころの繊細な武器です。」

実用性と合理性を追求して開発されたブラスターを”無粋”と吐き捨てるBさんの姿に、”若者のフォース離れ”の理由を垣間見た気がした。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。