「SHOGUN」コズモ・ジャーヴィスがスターリン役に ─ 『関心領域』『教皇選挙』製作会社が手掛ける『ヤング・スターリン』

「SHOGUN 将軍」(2024-)ジョン・ブラックソーン/按針役のコズモ・ジャーヴィスが、新作映画『Young Stalin(原題)』にて革命家で元ソビエト連邦首相のヨシフ・スターリンの若き日を演じることが分かった。米Varietyが報じている。
この伝記映画は、イギリスの歴史家サイモン・セバーグ・モンテフィオーリによるベストセラー作品「スターリン 青春と革命の時代」(白水社刊)を元とする物語。帝政ロシアの犯罪的裏社会と革命運動を背景に、テロや戦争、イデオロギー、そしてロシア史上最大の銀行強盗を経て、20世紀を再形成することになる血塗られた独裁者、ヨシフ・スターリンの誕生に迫る。
メガホンを取るのはジョージア出身のゲラ・バブルアニ。長編デビュー作『13/ザメッティ』(2005)ではジョージアから移民としてフランスに渡った青年がアンダーグラウンドの邪悪なゲームに巻き込まれる過酷な運命を描き、ヴェネチア映画祭やサンダンス映画祭で話題を集めた。後に、ジェイソン・ステイサムやミッキー・ロークらが出演した『ロシアン・ルーレット』(2010)で自らハリウッドリメイクも担った。
バブルアニは監督就任にあたって「私は常に、影の中に生きる物語に惹かれてきましたし、スターリンほど影が長い存在はいません。これは権力の肖像画ではなく、権力を鍛え上げた火の中に降りていくものです。コズモが加わり、危険と魅力、アイデンティティの崩壊を理解する主演俳優を迎えることができました」と意欲を募らせている。ロシア帝国統治下のグルジア(現ジョージア)に生まれたスターリンを、同郷出身のバブルアニがどのような視点で捉えるかに注目したい。
本作の出資を行うアクセス・エンタテインメントの社長であるダニー・コーエンは「スターリンの銀行強盗としての若き日は、とてつもなく、そしてほとんど知られていない物語です。それは革命的熱意に突き動かされ、暴力、裏切り、権力に対する欲望に特徴づけられたものなのです」と、本作の持つ計り知れないエネルギーに言及。同社は『関心領域』(2023)『アイアンクロー』(2023)『教皇選挙』(2024)など、その重厚なクオリティで、批評家からも観客からも好評を博す作品を数々手がけており、『Young Stalin』もその後を追う一作となりそうだ。
「SHOGUN 将軍」にてトップスターの仲間入りを果たしたジャーヴィスはアレックス・ガーランドがA24と再びタッグを組んだ『Warfare(原題)』、ロバート・デ・ニーロが一人二役を演じる『The Alto Knights(原題)』、ガイ・リッチー監督、ベネディクト・カンバーバッチら豪華キャストが集結する『ワイフ&ドッグ(原題)』、そしてクリストファー・ノーラン監督最新作『オデュッセイア(原題)』と、まさに今、破竹の勢いだ。待望の「SHOGUN 将軍」シーズン2にも続投が決定している。苦難を乗り越える慎み深い按針から、豪胆で型破りなスターリンまで、ジャーヴィスの振り幅にこれからも期待したい。
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Source:Variety