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「お願い、父のAI動画を送るのはやめて」故ロビン・ウィリアムズの娘が訴え ─ 「良識あるなら、父にも私にも、誰に対してもこんなことはやめて」

ロビン・ウィリアムズ
Photo by https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Robin_Williams_(6451536411)_(cropped).jpg

『ジュマンジ』(1995)や『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)などの名優ロビン・ウィリアムズが、生成AIの映像作成に利用されている──。娘で映画監督・俳優のゼルダ・ウィリアムズが批判の声明を発表した。

自身のInstagramストーリーにて、ウィリアムズは「お願いです。父のAI動画を送るのはやめてください」と綴った。「私が見たがっている、理解できるとは思わないでください。私はそうしたくないし、そうはしません。からかっているだけなら、制限をかけて先へ進むだけです」と。

そして、「みなさんに少しでも良識があるのなら」と付け加え、人々に対して率直なメッセージを送っている。

「少しでも良識があるのなら、父にも私にも、誰に対してもこんなことはやめてください。バカげているし、時間とエネルギーの無駄です。信じてください、これは父が望んでいたことではありません。

実在の人物が遺したものが、“なんとなく似てるし、声も似てるから良いだろう”と単純化され、他人によって操られる、量産されたTikTokのひどい動画には本当に腹が立っています。あなたたちは芸術を作っているのではなく、人間の人生や、芸術と音楽の歴史から、気持ち悪くて過剰に加工されたホットドッグを作り、他人の口に押し込んで、ちょっとした“いいね”を期待しているだけ。気持ち悪い。」

2023年、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がストライキに突入した際、スタジオによるAIの利用が争点となった際も、ウィリアムズはAIに対する不安と批判的な姿勢を明らかにしていた。「私はAIに対するSAGの反対運動において公平な立場ではありません。長年にわたり、多くの人がモデルを訓練し、父のように同意できない俳優を創造・再現しようとしているのを目の当たりにしてきた」として。

「理論の話ではなく、これは極めて現実的なことです。人々の望み通りにAIが話せるよう、父の“声”が使われているという話をすでに聞いています。個人的には不安を感じますが、その影響は私の感情をはるかに超えています。生身の俳優には、自らの選択でキャラクターを創造し、アニメに声を吹き込み、人間としての努力と時間を演技に注ぐ機会が与えられるべきです。」

このときウィリアムズは、生成AIによる再現を「良く言っても偉大な人間の粗悪な模倣品にすぎない」といい、さらに「最悪の場合は、この業界の最もひどい部分をかき集めた、恐ろしいフランケンシュタインのようなモンスター」と呼んでいた。

そして今回も、ウィリアムズはAIについて、「これを“未来”と呼ぶのはやめてください。あらゆることへの愛のために」と記している。「AIは過去をひどい形でリサイクルし、吐き出して再び消費するだけ。皆さんは、コンテンツを“ムカデ人間”の最後尾で受け入れているのです。そのとき、最前列の人たちは笑い転げ、ただ消費しつづけています」。

Source: Variety(1, 2

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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