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クリストファー・ノーラン『TENET テネット』製作費は2億ドル超え ─ キャリア史上最高の野心作、高予算投じる

TENET テネット
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『ダークナイト』3部作や『インターステラー』(2014)のクリストファー・ノーラン監督最新作『TENET テネット』が、製作費2億ドルを超える高予算で製作されていることがわかった。

Varietyは、2020年に公開となる話題作の興行予測の中で、『TENET テネット』を、まず失敗しないと考えられる“安全圏”の作品として紹介。考えられる懸念として、製作費が2億500万ドルのため、利益を得るには相応の大ヒットが必要になると記したのである。一方、米Colliderが独自に入手した情報によると、本作の製作費は2億2,500万ドル。しかも、今後は数億ドル規模のプロモーションが行われるという。どちらの情報が正しいかはさておき、ひとまず製作費2億ドル超えは確実なのだ。

『TENET テネット』に2億ドル以上が投じられることは、現在のハリウッドにおいて明らかにイレギュラーなケースといっていい。通常、これほどの予算が費やされる作品の多くは、すでに大ヒットが確約されているシリーズ映画か、コミックの映画化作品、あるいは名作のリメイクなど。オリジナルの企画がこれほどの高予算となること自体が非常に珍しく、“クリストファー・ノーランだからこそ”実現したものといえそうだ。

また、いわゆるハリウッドのトップスターが出演していないことにも注目しよう。本作に登場するのは、『ブラック・クランズマン』(2018)のジョン・デヴィッド・ワシントン、『トワイライト』シリーズやのロバート・パティンソン、『コードネームU.N.C.L.E.』(2015)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)のエリザベス・デビッキ、『キック・アス』シリーズや『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)のアーロン・テイラー=ジョンソン、そして名優マイケル・ケインとケネス・ブラナーほか。レオナルド・ディカプリオ主演の『インセプション』(2010)が製作費1億6,000万ドルと伝えられているあたり、今回は出演者以外に巨額が割かれていると考えられる。

『TENET テネット』の詳細は謎に包まれているが、本作は「国際スパイが世界を股にかける大作アクション」であり、“革新的ブロックバスター映画”とのこと。以前、ノーランは「いくつものジャンルをエキサイティングかつ新鮮な形で越境している」と述べ、すでに世界7ヶ国で撮影を実施しており、「世界的展開という点では確実に過去最大」「これまでで最も野心的な映画」宣言していた。製作費の2億ドルが、純粋にノーランのビジョンを具現化するために使われている可能性は高そうだ。

作品ごとに未知の体験をもたらしてくれるノーランは、まごうかたなきブロックバスター映画のフォーマットで、次はどのような世界を見せてくれるのか。その一端はオンラインで公開されている予告編と劇場限定映像で味わうことができる。

映画『TENET テネット』は2020年9月18日(金)公開(IMAX版も同時公開)

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Sources: Variety, Collider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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