Menu
(0)

Search

『007』第25作、監督降板で公開日どうなる ― 米国で報道錯綜、後任者候補に『ベイビー・ドライバー』エドガー・ライト説も

ダニエル・クレイグ
Photo by www.GlynLowe.com https://www.flickr.com/photos/glynlowe/22549225906

映画『007』第25作(タイトル未定)の米国公開日をめぐって、海外の大手メディアにて情報が錯綜している
2018年8月21日(米国時間)、『トレインスポッティング』(1996)や『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)、『スティーブ・ジョブズ』(2015)などのダニー・ボイル監督が「創造性の相違」を理由にプロジェクトを離脱。しかしながら同作は2019年11月8日の米国公開をめざして、2018年12月から撮影が始められる予定だったのである。

果たして、『007』第25作は予定通りのスケジュールで公開を迎えることができるのか。
多くのメディアや映画ファンが抱いた疑問に、8月23日(米国時間)、関係者からの情報として「公開延期が濃厚」だと伝えたのは米The Hollywood Reporterだった。2019年11月8日の米国公開は見送られ、2020年後半まで延ばされる可能性もあると記したのである。同紙が取材した関係者によれば、ボイル監督の降板以前から2020年前半への延期が議論されていたという。

ところが同日、米Deadlineはそれとは真逆の内容を報じている。こちらが関係者から得た証言によれば、「公開延期の予測はライバル会社の希望的観測かもしれない」として、「少なくとも現時点では2019年11月8日の米国公開は諦められていない」としたのである。同紙の情報では、監督の後任者が今後60日以内に決定すれば公開日を変更せずに済むというのだ。
なお、業界の大手メディアがほぼ同じタイミングで真逆の情報を伝えることはめったにない。プロジェクトの内部でも、事態が相当錯綜している可能性がありそうだ。

またDeadlineは、独自に後任者候補の名前を数人挙げている。情報によると、すでに『ダラス・バイヤーズ・クラブ』(2013)やドラマ「ビッグ・リトル・ライズ」(2017-)のジャン=マルク・ヴァレにはスタジオからの接触があったというが、スケジュールの事情により就任の可能性は低いとのこと。また「現実的な可能性」とされているのが、以前から『007』シリーズへの興味を示していた、『ベイビー・ドライバー』(2017)のエドガー・ライト監督だ。もし実現すれば異色の人選だが……。
ちなみに以前から候補者と目されていた人物のうち、『ベルファスト71』(2014)のヤン・ドマンジュ、『最後の追跡』(2016)のデヴィッド・マッケンジーの名前は現時点でも残されているという。以前「あくまで噂」として伝えられた、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)のクリストファー・マッカリー監督はやはり噂にすぎなかったのだろうか?

ところで本作の公開スケジュールは、今後、脚本がどのように扱われるかという点にも懸かっているだろう。ボイル監督&ジョン・ホッジの脚本がそのまま使用されるのか、以前から企画に携わっていた、シリーズの常連作家ニール・パーヴィス&ロバート・ウェイドの脚本が復活するのか。もしもゼロから再執筆される場合、2019年11月の米国公開は夢のまた夢と言わざるをえない。

映画『007』第25作(タイトル未定)は2019年11月8日に米国公開予定。後任者の公式発表を待つべし!

Sources: THR, Deadline
Eyecatch Image: Photo by www.GlynLowe.com

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。