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『007』はストリーミングに迎合するか?米AmazonのMGM買収協議でジェームズ・ボンドの行方は

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
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伝統と威厳を誇る『007』シリーズは、時代の流れに迎合するか?

『007』『ロッキー』『クリード』シリーズなどで知られる大手スタジオ・MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)が、米Amazonへ身売りを検討している。米Deadlineが新たに伝えるところによると、2社はこの交渉に積極的で、時期は未定ながらも、速やかにまとめたい意向だという。

先の報道では、買収額は90億ドルにも達すると見込まれていると伝えられていたが、米Varietyは業界関係者らがMGMについて「実際の価値は50〜60億ドル程度」との評価額で見ていると紹介。この買収には懐疑的な声もあるという。

配信業界で急進するAmazonがMGMを獲得するとなると、気になるのは作品の行方だ。報道によれば、この買収が仮に直ちに成立することがあっても、2021年のMGM作品の劇場公開予定に影響は及ばさないとのこと。つまり『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(10月8日米予定)ほか、『アダムス・ファミリー2』(10月1日米予定)、レディー・ガガとアダムイ・ドライバーの『House of Gucci(原題)』(11月26日米予定)などは、現在のところそのまま劇場公開となる見込みだ。

しかし、2022年以降はわからない。同社意向とコロナ禍の状況次第では、“劇場とAmazon Primeで同日リリース”方式や、Amazon Primeでの独占配信が実現する可能性もある。

MGMの現行主要作となる『007』シリーズの今後が焦点のひとつとなるが、『007』シリーズの権利を握るプロデューサー、バーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンは、Amazonへの売渡に難色を示すだろうと見られている。両氏はコロナ禍で公開延期を繰り返した最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の配信権購入をAppleやNetflixらが6億ドル超で持ちかけた時もこれを拒否し、劇場公開の意向を貫いている。また、『007』のスピンオフやドラマシリーズ化の企画についてもすべて抵抗してきているという。

どうやら、この買収の鍵を握るのはブロッコリ氏らの意向となりそうだ。「もしもバーバラが乗り気じゃなければ、話は非常に難しくなる」と、ボンド映画に携わった重役は米Varietyに話している。

ジェームズ・ボンドがAmazon傘下に入るかもしれない……。数年前なら信じがたいかもしれないが、ストリーミング・サービスの台頭やコロナ禍によって業界も様変わりしたということだ。仮に買収が実現すれば、『007』の何らかの新作がAmazon Prime限定で企画されることもあり得る。それが実現するかは、シリーズの一存を握るブロッコリ氏らに委ねられることになりそうだが、これまでの姿勢からして、そう容易く首を縦には振らないのではないか。ともかく、まずは買収が成立するか、引き続き注視する必要がある。

もしも『007』のスピンオフやドラマシリーズが製作されることになったら、ファンは“『007』ユニバース拡大”を歓迎するだろうか?それとも、『007』シリーズはあくまでもジェームズ・ボンドにこだわり、劇場映画として楽しみたいだろうか?ダニエル・クレイグのボンド卒業作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は2021年公開。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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