『007』キャスティングディレクター、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』ラミ・マレック起用で学んだことを告白 ─ きっかけは『ボヘミアン・ラプソディ』

1981年公開の『007 ユア・アイズ・オンリー』から現在まで、『007』シリーズのキャスティングディレクターを務めてきたデビー・マクウィリアムスは、最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でのキャスティングプロセスで学んだことがあったようだ。そのきっかけとなったのが、悪役サフィン役を演じるラミ・マレックであるという。
マクウィリアムスは、3代目ジェームズ・ボンドのロジャー・ムーアから6代目ダニエル・クレイグまでのキャスティングディレクターを担当してきたシリーズには欠かせない存在。このたび米Entertainment Weeklyの取材で、マクウィリアムスはサフィン役のラミ・マレックをめぐる起用秘話を明かしている。
「私には、ラミ・マレックを起用しようと奔走していた不思議な期間がありました。ラミのエージェントに敬意を込めて言いますが、私が彼に会いたいと提案しても彼らは全然応じてくれなかったんです。ボンド映画ではたくさんの候補が出入りして、まず最初に(製作陣)全員と面会するので、すぐに契約とはならないんです。
ある時ちょうど、良いタイミングと場所にたまたま巡りあって。『ボヘミアン・ラプソディ』の試写に行くと、ラミがそこにいて、そのあとお酒の席で彼と挨拶を交わしました。その際、彼に“ジェームズ・ボンドの映画について、エージェントから何か連絡って来てます?”と聞いてみたんです。そしたら“来てない”って言うんですよ。だから私は、“ずっとあなたに会おうとしてたんです”って彼に伝えました。すぐに彼は電話して、次の日にはオフィスに来てくれましたけどね。」
製作側がマレックへのオファーを最初から検討していたにもかかわらず、まさかエージェントから共有されていなかったとは……。マクウィリアムスが『ボヘミアン・ラプソディ』の試写会に足を運んでいなければ、その後マレックと会えていなかったかもしれないし、あやうくサフィン役が別の役者に渡っていたかもしれない。
40年以上のキャリアを持つベテランでさえ、この一件から学んだことがあったという。「とても大胆であるべきだと学びました」とマクウィリアムス。「もし欲しているものがあるのであれば、自分から行って掴み取らなければいけないってことですね」と、シンプルながらも心に刺さるような教訓を明かしてくれた。
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Source: Entertainment Weekly