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『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』1度目の公開延期、監督も発表直前に知らされた ─ 2020年春、コロナ禍でギリギリの調整

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
Credit: Nicola Dove © 2019 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

約1年半におよぶ延期を経て、『007』シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が、いよいよ2021年10月1日(金)に公開を迎える。ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドの最終作といわれる本作は、新型コロナウイルスの影響を受け、最初に公開延期が決まった大作映画だった。

The Hollywood Reporterにて、監督のキャリー・ジョージ・フクナガは、最初の公開延期が決まった当時の出来事を回顧している。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』のあと、数え切れないほどの映画が延期を余儀なくされたが、初めての判断に至るまではギリギリの調整が続けられていたようだ。当初、本作の英国公開日として告知されていたのは2020年4月3日。公開延期が決まったのは、ちょうど1ヶ月前にあたる3月4日のことだった。

「“本当に公開するんですか?”と、(スタジオ側に)ずっと聞いていました。堂々巡りの議論があれこれあったんです。」

最初の延期先として設定されたのは、約7ヶ月後の2020年11月だった。この決断が下されたのは、ダニエルがホストとして出演した「サタデー・ナイト・ライブ」のリハーサル中のこと。同番組のオンエアは延期発表の3日後にあたる3月7日だったため、ダニエルは予定通り出演することになった。フクナガ監督がこの決定を知らされたのも、正式発表の数時間前の出来事だったという。

「(発表前に)流出してしまう可能性が非常に高いので、物事がすごい速さで進んでいきました。彼らはおそらく(延期発表を)どのニュースよりも上位に置きたかったのだと思います。」

結果的に、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開延期はこの1回だけでは終わらなかった。2020年10月には、劇場公開を2021年4月に再延期することが決定。2021年1月には再び延期が決定し、現在の公開日に落ち着いた。この間には、MGMが本作の配給権をストリーミングサービスに売却しようとしているという報道が流れたほか、現実にAmazonがMGMを買収したことで、本作が配信リリースになるのではないかとも噂されてもいる。

しかしフクナガ監督によると、MGM側は一貫して親切で、Amazonによる買収の際も「僕に連絡をくれて、ケヴィン・ウルリッヒ(取締役会長)からマイケル・デ・ルカ(映画部門代表)までの一同に加えてくれた」という。買収が『ノー・タイム・トゥ・ダイ』に一切影響を与えないことを、スタジオ側は監督にきちんと知らせようとしていたそうだ。

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は2021年9月28日にイギリス・ロンドンでワールド・プレミア上映を迎え、同日にはスイス・チューリッヒ映画祭でも上映される。その後は『007』シリーズの歴史にのっとり、劇場公開作品として全世界に展開される予定だ。ファンが待ちに待ったダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの集大成が、ついにお披露目となる。

映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は2021年10月1日(金)全国公開。

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Source: The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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