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『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』監督就任のきっかけとは ─ 意外すぎるエピソード、キャリー・フクナガ監督が披露

キャリー・ジョージ・フクナガ
Photo by Dick Thomas Johnson https://www.flickr.com/photos/31029865@N06/21806112494/

2021年10月に全世界待望の封切りを迎える『007』シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』。監督は、前2作を手がけたサム・メンデスに代わり、「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」(2014)『ビースト・オブ・ノー・ネーション』(2015)などで知られるキャリー・ジョージ・フクナガが務める。実はフクナガ監督、名誉ある『007』シリーズへの監督抜擢までに、少々面白い過程を経ていた。このたび英Total Filmの取材で監督自らが、これを明かしている。

『ノー・タイム・トゥ・ダイ』にフクナガ監督の起用が発表されたのは、2018年8月。そもそも、2006年からジェームズ・ボンドを演じ続けてきたダニエル・クレイグは『007 スペクター』(2015)をもって同役からの引退を考えており、同作から数年間は『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が製作されるかどうかは正式には決まっていなかった。フクナガ監督によれば、ダニエルが進退について考えていたまさにこの期間に、つまり『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の製作が正式に発表される前に、『007』シリーズでプロデューサーを務めるバーバラ・ブロッコリと会食に行ったのだという。日系アメリカ人のフクナガ監督は「バーバラをニューヨークにあるお気に入りの和食レストランに連れていきました」と当時を振り返る。

「彼女をディナーでもてなそうと思いまして。その時はまだ、ダニエルが続投の意志を固めていなかったので、私たちは新しいボンド映画について、思いつきでいろいろと話していたんです。それがとても楽しくて。彼女には、自分がどれだけボンドが大好きで、一緒に成長した自分にとって(『007』が)どれだけの存在なのかを伝えました。それと、次の作品で私を検討してくれたらとても光栄なことだということも。」

この会食が行われた具体的な時期こそ不明だが、その後『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の監督として発表されたのはフクナガ監督ではなく、『トレインスポッティング』(1996)や『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)などのダニー・ボイル監督だった。フクナガ監督は「別の人が選ばれてしまいましたね」と当時を思い起こす。しかし、後に創造上の相違を理由にボイル監督は降板。後任としてフクナガ監督が起用されたのだ。

まさに念願叶ったフクナガ監督だが、起用までに至った発端は意外なものだった。「バケーション中だった時のことです」と切り出す監督は、以下のようにきっかけを振り返っている。

朝ごはんを食べていたんですけど、そこにいた皆が“ねえ、キャリー。ボンドやってよ。そしたら私もボンドガールになれるでしょ”って冗談を言ってきたんです。僕も“じゃあ、バーバラにメールを送ってみようかな”って風になって。あの時のことが彼女(バーバラ)とマイケル(・G・ウィルソン、プロデューサー)とお会いできるきっかけになったんです。ダニエルと話し合うこともできました。」

この休暇中、監督が誰と過ごしていたのかは定かでないが、朝食を共にしていた何人かの人物こそ、フクナガ監督を『ノー・タイム・トゥ・ダイ』に導いたということだ。それにしても、監督を再び行動させたのが“私たちもボンドガールになれるでしょ”という言葉だったようだが、フクナガ監督のやる気スイッチを押す何かがこの冗談にあったということか。

ちなみに同取材では、ダニエル・クレイグが『ノー・タイム・トゥ・ダイ』への続投を決心した理由についても語っていた。「話し合いを始めた時、僕は“ここで完結させるストーリーがあるかもしれない”と思いました。“『カジノ・ロワイヤル』に始まった何かを終わらせる何かが。ヴェスパーやスペクターと何らかの形で繋がっている何かがあると”。それが形をなしてきた時、“よし、やろう”と思ったんです」。

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Source: Gamesradar+

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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