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【インタビュー】『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」レア・セドゥ、マドレーヌは「欠点もある1人の女性」 ─ 変化与えたダニエル・クレイグへの感謝

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

ダニエル・クレイグ最後の『007』シリーズ、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が待望の公開を迎えた。本作は、新たに出現した悪に立ち向かう“正義”を描くだけでなく、一度は大切な人を失い、心に傷を負った1人の男が、良くも悪くも運命に導かれて出会った女性と真剣に向き合い、真実の愛を見つけていく物語でもある。

その女性こそ、このたびTHE RIVERの単独取材に応じてくれたレア・セドゥが演じるマドレーヌ・スワンだ。『007 スペクター』(2015)で初登場を果たしたマドレーヌは、それまでボンドが死闘を繰り広げてきた敵の1人、ミスター・ホワイトの娘であることが判明した。しかし同作で、ボンドはマドレーヌを敵の娘ではなく、1人の女性として愛するようになるのだ。思えば、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)でボンドが愛したヴェスパー・リンドも敵であった。

マドレーヌをミステリアスに妖艶に演じたレアは、歴代ボンドウーマン(ボンドガール)で初めて、同じ役での連続出演を果たした。劇中でのクールな印象とは裏腹、インタビュー中の姿は、フランクで明るくて、何より屈託のない笑顔が印象的であった。筆者の問いかけ一つひとつに対し、ゆっくりと丁寧に答えを返してくれたレア。ダニエル最後の『007』でもあった本作について、その思いを語ってくれた。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
Getty Images for EON Productions, Metro-Goldwyn-Mayer Studios, and Universal Pictures

キャリアの歩み、「シネマ」を通して学んだ世界

── レアさん、こんにちは。待ちに待った『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が遂に公開されますね。おめでとうございます。

こんにちは。ありがとうございます!

── 『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の質問をお聞きする前に、レアさんとインタビューすることになったらぜひ伝えたかったことがありまして。グザヴィエ・ドラン監督による『たかが世界の終わり』(2016)でのあなたの演技が本当に大好きなんです。

ええっ、そうなんですか。ありがとうございます!実は私、『たかが世界の終わり』の撮影をやりながら『007 スペクター』の撮影にも参加していたんですよ(笑)。

── えっ!?そうだったんですか!

はい。同時並行で参加していたんです。『007』とは全く違う作品でしょ?それも楽しかった思い出の1つなんですけどね。

── 素敵です。まずはご自身のキャリアについて、これまでの歩みはあなたにとってどのようなものでしたか?

そうですね……私が観客として観に行っていたような映画を作ろうとここまで努力してきました。母国語や自分のヴィジョンを使って映画を作る監督の方々とご一緒することが大好きなんです。シネマから私は多くのことを学んできました。映画を通して、自分たちが生きている世界のことを理解することができたんです。

 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

「プールに飛び込むようだった」2度目の『007』

── それでは『ノー・タイム・トゥ・ダイ』についてもお聞きしていきたいと思います。本作では、ラシャーナ・リンチとアナ・デ・アルマスが、ボンドウーマンとして映画に華を添えてくれています。おふたりとの共演はいかがでしたか?

アナ・デ・アルマスとは共演シーンが無くて、現場で一緒になる機会がなかったんです。ラシャーナとは、複数のシーンでご一緒することができました。素敵な方々でした。ふたりは映画のなかでも見せ場を作ってくれましたし、大きなインパクトも残していると思います。それぞれがユニークで。『スペクター』では、また別の女性たちが登場しましたが、この映画でも(前作からの)一貫性は感じられるかなと。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
Credit: Nicola Dove / © 2019 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

── ジェームズ・ボンドやM、Qを除いて、1人のキャラクターが連続で登場するのはとてもめずらしいことです。『スペクター』に続いてマドレーヌを続投すると知った時はどのようなお気持ちでしたか?

戻ってこられて、すごく嬉しかったです。ボンドの恋人として再登場するキャラクターって初めてだと思いますし、それってとても重要なことですからね。嬉しい理由は他にもあるんです。正直、『スペクター』ではマドレーヌというキャラクターを掘り下げきれなかったと感じていました。『スペクター』での彼女がミステリアスだったことは皆さんも知っていると思いますけど。この映画では、また違ったアプローチで彼女を演じることができたので、嬉しかったんです。

── 役作りといえば、『スペクター』からさらに、ジェームズ・ボンドを演じるダニエル・クレイグとの演技が大切になってきたかと思います。撮影前から、ダニエルとは役作りのための期間は設けていましたか?

残念なことに、そうする時間はあまりなくて。『スペクター』でのほうが、時間はたっぷりあったと思います。あの作品は、撮影期間も長かったですから。でも『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、あまり時間を取れませんでした。今回も他の映画の撮影に参加していて、2作同時並行で進めていたんです。それも少しだけストレスに感じて。現場に行っても準備が出来ていない状態で、まるでプールに飛び込む時のようでした(笑)。それでも私たちはやりきりましたよ。前回の経験とはまた違って、今回は今回で楽しかったです。

 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

フェミニストとしてのダニエル・クレイグを語る

── そうしたことを踏まえて、『スペクター』からマドレーヌに見られる感情的な変化や成長は、どのように表現されているでしょう?

『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の最初のシーンで、皆さんはマドレーヌをよく知るようになります。マドレーヌは母親と一緒にいる幼い少女として登場するんですが、それが彼女をより深く理解するヒントになるでしょうし、感情的な側面から彼女をよく知るようになるんです。

マドレーヌについては、監督のキャリー・フクナガが、いわゆる従来の“ボンドガール”みたいなイメージを取り除いてくれたと思います。なので今回、マドレーヌは水着とかセクシーなドレスを着ないですし、彼女は欠点もある1人の女性なんです。そういったことが、私にとっても興味深かったです。

── 男女の平等という側面において、ダニエルの『007』シリーズは、この5作品でどう変わってきたと感じますか?

ダニエル自身が、ジェームズ・ボンドというキャラクターを変えてきたんだと思います。もっと人間らしく、信頼できるように。あとダニエルは、ボンドに自分らしさを加えたかったんでしょうね。彼自身もフェミニストなので、『007』に登場する女性キャラクターにもっと魅力を与えたいと思っていたはずです。彼のおかげで、これまでとの違いが生まれ、今では一貫性も生まれましたから。

 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

── ダニエルがフェミニストだとおっしゃいましたが、撮影では彼と、平等だったりフェミニズムだったりについての会話もなさったんですか?

いえ、特に話したというわけではないんです。私には、ダニエルの女性への接し方を見れば、彼がフェミニストだと分かるんです。ボンドというキャラクターにも、彼はそれを取り入れています。それはジェームズ・ボンド以外のキャラクターについてもそうで、彼は自分の感情や考えを役に交えて、演じる時は自分らしさを反映させていると思うんです。ある意味、ジェームズ・ボンドの中にダニエル・クレイグがいるんですよ(笑)。

── ドキュメンタリー作品「ジェームズ・ボンドとして」でも描かれていることではありますが、撮影最終日にダニエルは気持ちを高ぶらせながら感謝を伝えていたそうですね。

そうなんです。ダニエルにとっても最後でしたから、現場にいた全員がエモーショナルになっていました。彼はジェームズ・ボンドというキャラクターに人生の15年を捧げましたし、私にとっても涙を誘うようなひとときでした。私たちも、彼の最後を特別にしようと一生懸命でした。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
© 2019 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

『007』は「ただのエンターテインメントではない」

── 脚本には、「Fleabag フリーバッグ」(2016-)でおなじみのフィービー・ウォーラー=ブリッジが参加されています。彼女の参加によって、女性からの視点に重点が置かれているのではないかと思います。実際にフィービーが書いた脚本で演じてみて、何か気づいた変化はありましたか?

フィービーは本当に素敵な女性です。賢いですし、その賢さを脚本にも反映させています。この作品では、機知に富んだ描写が多いのではないでしょうか。

── まさかとは思いますが、「フリーバッグ」で見られるようなユーモアが本作で感じられるなんてことは……?(笑)

いやいや(笑)。この映画は「フリーバッグ」とはまた違った作風なので(笑)。ただ、フィービーの賢さは、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でも感じられると思います。彼女は本当に賢い方ですから。

── 『ノー・タイム・トゥ・ダイ』での撮影で、記念に何かお家に持って帰ったものはありますか?

いいえ、1つも……。けど『スペクター』の時は、ダニエルに銃弾をいただいたんです。最後の引き金で撃った銃弾だったそうで。

── 素敵なお話ですね。その銃弾は今ご自宅に?

もちろんです!

── 『スペクター』のサム・メンデス監督と『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でメガホンを取ったキャリー・フクナガ監督。両作に参加されて、おふたりの演出の仕方には、どのような違いがありましたか?

全く違いました。サムは心理的なアプローチを取る方なんです。キャリーの場合はどちらかというと、感情に沿った進め方を好む方で。彼は映画を、激しく非理性的な描写で仕上げたかったんだと思います。トーンの違いもお分かりいただけるでしょうし、それが『007』の素晴らしいことでもあります。毎回のクオリティもすごく良くて、ただのエンターテインメントではないんです。スタントから照明、衣装、ロケーションまで、全ての側面が映画に揃っているんです。

映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は全国公開中。

Writer

SAWADA
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。

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