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『007/ゴールドフィンガー』に後日談が存在した!ファン必読の一冊 『007 逆襲のトリガー』を知っているか

007 逆襲のトリガー

英国諜報部MI6の00部門所属 殺しの許可書(ライセンス)を持つ男、ジェームズ・ボンド=007。
『007』シリーズはイギリスが生んだスパイ映画の最高峰であり、1962年の『007/ドクター・ノオ』から2015年の『007/スペクター』まで数えること24作品存在する。
その中でもしばし最も支持されている作品と呼ばれるのが、3作目の『007/ゴールドフィンガー』だ。

007ことジェームズ・ボンドは、”ゴールドフィンガー”と呼ばれる富豪の調査をMより依頼され、すぐに調査に乗り出すも富豪の秘書と関係を持とうとした矢先に、その女が全身を金で覆われ殺されてしまう。
世界有数の金保持者である”ゴールドフィンガー”の陰謀から世界を救うため、ボンドは命がけの戦いに身を投じていく…。
歴史上最も人気の高い初代007ことショーン・コネリーが主演し、まさに『007』映画の真髄とでも言うべき作品である。


さて、このシリーズ屈指の名作である『ゴールドフィンガー』には後日談が存在するのをご存じだろうか。

自身も諜報員として女王陛下にその身を捧げた男イアン・フレミングがこの世を去ってから、50年以上が経過したこの2017年、『007』の新作小説が刊行されたのだ。それが、『007 逆襲のトリガー』

本書は故イアン・フレミングの遺稿を基にイギリスを代表する小説家であるアンソニー・ホロヴィッツが執筆した一冊。
『007/ゴールドフィンガー』で描かれた事件後間もないジェームズ・ボンドの新たな任務が描かれている。

アンソニー・ホロヴィッツとは?

本書の著者であるアンソニー・ホロヴィッツという名前は、スパイ小説に親しみのあるファンの方々なら、聞き覚えがあるかもしれない。
彼は幼い頃より『007』シリーズの熱烈なファンであり、その世界観を模したかのようなヤング版『007』と言われる『アレックス・ライダー』シリーズでその名を馳せた作家である。同作は後にアレックス・ペティファーやユアン・マクレガー、ミッキー・ロークなどの豪華キャストで映画化もされた作品だが、そのスピード感溢れる描写が魅力的な作品である。
そんな『007』シリーズに憧れた男が執筆し、あえて言う必要もないであろうフレミングの綴る007像に新たな魅力を追加して新鮮な印象を与えてくるのが、この『007 逆襲のトリガー』だ。
このホロヴィッツという作家は『シャーロック・ホームズ』シリーズの小説など手がける傍ら、『バーナビー警部』や『刑事フォイル』といったTVドラマの脚本家としても定評のある人物で、その独特なサスペンス要素という部分にもスリリングな描写が目を惹く。
その彼をイアン・フレミング財団が公式に起用し、新作を執筆させた要因が存分に見受けられる次第である。

物語は?

本書で描かれている物語の舞台となっているのは、米ソ宇宙開発競争の政情色濃い1950年代のアメリカだ。
未だ世界は混沌とした雰囲気に包まれ、西側諸国と東側諸国との対立も色濃い時代である。
その裏でうごめく陰謀を阻止すべくジェームズ・ボンド=007に任務が下るといったものだ。

主にジェイソン・シンと呼ばれる韓国人の悪玉が敵として描かれているのだが、『007』シリーズ特有の一筋縄ではいかない壮絶な背景を抱えた悪役像であるのも印象的だ。彼は朝鮮戦争の真っ只中の韓国で育ち、敵味方関係なく虐殺を繰り返したアメリカに対して根強い怒りを抱えている。その戦争体験が彼から感情を奪い、容易に人を殺すような残虐な人間へと育て上げてしまったのだ。積年の恨みを抱えた敵というのは『007』の真骨頂のようなもので、重厚なキャラクター設定が織り込まれている。
また『007』の代名詞とも言えるボンドガールも本書にはしっかりと登場し、ボーイッシュなショートヘア女性 ジェパディ・レーンという謎めいた女性がボンドを翻弄する。
彼女の過去にもまた奥深いものが隠されており、ただのセクシーな女性でないという部分も魅力的である。
スピード感あるカーレースシーン、スリリングな潜入劇、そして手に汗握る地下鉄での死闘など、とにかく一気読みしたくなるスパイ小説の最高峰である。

なぜ、ファン必読なのか?

『007』の原作小説を読んだ経験のない方々にも本書をおススメしたい理由が一つある。
それはたとえ小説を読んでいなくても映画と同じ描写で過去作にも触れられている点だ。例えば、本書は『ゴールドフィンガー』のその後を描いているために、同作でボンドガールとして登場したプッシー・ガロアとのその後の関係にも大きく触れられている。『007』シリーズに登場したボンドガールは1作のみでその役目を終えることが多く、ボンドが一度関係を持ったら、もう登場しないことが多い。しかし、プッシーとはあの『ゴールドフィンガー』で描かれたラストの後にイギリスのボンド宅へと呼び寄せ、数か月間生活を共にしていたのだ。あのボンドが一人の女性と共同生活しているというだけでも衝撃だが、プッシーに対する気持ちの変化なども色濃く描写されており、新鮮味があるのだ。

気持ちの変化という点では、どんな場面でも冷静沈着で落ち着き払ったイメージの強いボンドの任務に対する焦りや失敗への恐怖、さらには人生に思いをはせる姿なども描写されており、新たな一面を垣間見れると共にジェームズ・ボンドという人物をより深く知ることができる一冊となっている。
お馴染みのマネーペニーやMなども登場し、『ゴールドフィンガー』だけでなく、『カジノ・ロワイヤル』や『ドクター・ノオ』などの過去作にも触れられており、ファンであればあるほど楽しめる様相を呈してくる。

もしもお手に取ってもらえるのであれば、ぜひとも『ゴールドフィンガー』を鑑賞後、すぐに読み始めてほしい。
その没入感は、凄まじいものがある。

Eyecatch Image:https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC-%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88-%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B3/dp/B00JA4X64Y?SubscriptionId=AKIAISEN4M4PGR3LNKLA&tag=zasshoku-22&linkCode=xm2&camp=2025&creative=165953&creativeASIN=B00JA4X64Y
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Writer

Sunset Boulevard
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映画・海外ドラマライター。映画ファンの方々が知りたいNEWS、評論、コラムなどを中心に他とは違った視点から注目した記事を寄稿していきたいと思っております。

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