『1917 命をかけた伝令』本編映像、ワンカットを体感せよ ─ 圧巻の212秒間、驚異の撮影と演出

第77回ゴールデングローブ賞にて作品賞(ドラマ部門)・監督賞に輝き、英国アカデミー賞で作品賞など最多7冠を獲得した、サム・メンデス監督最新作『1917 命をかけた伝令』が2020年2月14日(金)に公開される。アカデミー賞にも10部門でノミネートされ、受賞への期待が高まっている本作の見どころは、なんといっても“全編ワンカット映像”。このたび本編より、約3分半にわたる長尺映像が到着した。
サム・メンデス監督は、若き兵士が困難なミッションに立ち向かう姿を臨場感たっぷりに描き、観客を“究極の没入感”へ導くため、「ワンカット映像」を全編に採用。公開された映像では、とあるフランスの農家に辿り着いたスコフィールドとブレイクが、建物の内部と周辺を探索する様子が捉えられている。
ひどく荒らされた形跡の残る部屋を目の当たりにして、スコフィールドは「嫌な感じがする」と呟く。家畜小屋のそばには、呑気に草を食べる牛と、搾りたての牛乳。つい先ほどまで、家主がこの場所で穏やかに暮らしていたことを感じさせる。すると突然、上空に2機の友軍機と1機の敵機が出現。交戦に敗れた敵機は2人の眼前に墜落した。反射的に敵の兵士を救出した2人だが、スコフィールドの「楽にしてやろう」という提案に対し、ブレイクは「水を持ってこい」と敵兵を助ける判断を下す……。

アカデミー賞撮影賞の大本命といわれる撮影監督のロジャー・ディーキンスは、「引きの画を入れるか、どうカメラを動かせば周囲を見渡せるか、その瞬間をしっかりと映せるか、ワンショット撮影というのはそのバランスが肝だった」と語る。「ただ2人を背後から追うだけの映像にはしたくなかった。物語を描写する方法を模索しました」。ワンカットのカメラワークは、観客を映画の世界へ誘う方法として見事に機能しており、ロジャーは「観客にはワンカットの映像に気を取られずに作品を観てほしい。観客が物語に没頭し、登場人物と一緒に体験するための映像だ。撮影技術に気を取られるようではある意味で失敗だ」とのコメントも寄せている。

サム・メンデス監督は「映画は体験だ。言葉ではなく感情で観客を夢中にさせるものだ」と熱弁する。「使える映画技術をすべて使って、観客を戦争の真ん中に連れて行った。かつてない没入感です。観客にはカメラを忘れて、彼らの感情的な決断に共感してほしい。兵士たちが何を体験し、戦争で人間に何が起こるのか、我々が作ったのは体験そのものなんです」。圧巻のワンカット映像には、わずかな会話やしぐさ、雰囲気などから人物や物語を描き出す詩的な描写も見て取れる。ロジャー・ディーキンスによる撮影、サム・メンデス監督のこだわりを体感してほしい。
映画『1917 命をかけた伝令』は2020年2月14日(金)全国ロードショー。