2018年、IMAX上映の世界興収が10億ドルを突破 ─ 設立51年で初の快挙、マーベル映画がカギ握る

2018年、IMAX上映による映画の全世界興行収入が10億ドルを突破したことがわかった。1967年にIMAX社が設立されて以来、51年間で初めての快挙となる。米Deadlineが報じた。
IMAX上映の興収10億ドル突破について大きな貢献を示したのはハリウッドの大作映画、なかでもやはりマーベル・シネマティック・ユニバース作品だった。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『ブラックパンサー』(2018)の2作品だけで2億2,500万ドル近く、すなわち全体の4分の1近い興収額を記録したのである。

その一方、2018年には、米国以外で製作された海外映画もIMAX上映の興収額が1億ドルを超える結果を示した。そちらのカギを握っていたのは、ハリウッドに次ぐ巨大映画市場である中国。ランキングのトップ10には、韓国・インドという同じく元気のある映画市場からヒット作がランクインしている。
なお発表された興収ランキングでは、上位10作品のうち6作品がIMAXカメラで撮影された、あるいはIMAXならではの画面比率が本編に採用された映画だった。「IMAXならでは」の映画体験を多くの観客が求めたことの証左といえるだろう。
2018年、IMAX興収トップ10
- 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』1億4,358万ドル
- 『ブラックパンサー』8,111万ドル
- 『ジュラシック・ワールド/炎の王国』6,675万ドル
- 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』5,360万ドル
- 『レディ・プレイヤー1』5,212万ドル
- 『アクアマン』4,300万ドル(12月24日時点、12月31日までに6,300万ドル到達見込)
- 『ヴェノム』4,284万ドル
- 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』4,002万ドル
- 『アントマン&ワスプ』3,210万ドル
- 『MEG ザ・モンスター』2,991万ドル
2018年、外国語映画のIMAX上映興収トップ10
- 『オペレーション:レッド・シー』(中国)2,271万ドル
- 『Detective Chinatown 2(英題)』(中国)1,155万ドル
- 『ニセ薬じゃない!』(中国)947万ドル
- 『Monster Hunt 2(英題)』(中国)696万ドル
- 『Hello Mr. Billionaire(英題)』(中国)562万ドル
- 『プロジェクト・グーテンベルク』(中国)509万ドル
- 『Shadow(原題)』(中国)401万ドル
- 『王朝の陰謀 闇の四天王と黄金のドラゴン』(中国)364万ドル
- 『Along with the Gods(英題)』(韓国)296万ドル
- 『Padmaavat(英題)』(インド)268万ドル
2019年、マーベル・スタジオは『キャプテン・マーベル』『アベンジャーズ/エンドゲーム』という強力な2作品が待機中。そのほか、ハリウッドの大手スタジオは各社が一押しの作品をIMAXで送り出してくれることだろう。さて、2019年もIMAX上映の興収額は再び10億ドルを突破することになるだろうか。願わくば2018年を超える興行に期待したいところだが、それでもあくまで一人の観客としては、来年も豊かな映画体験が少しでも多く届けられることを祈りたい。それからもちろん、日本国内におけるIMAXシアターのさらなる普及・拡大も。
Source: Deadline