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米クリスマス映画興行、前年より7%成績下落 ─ 第1位は『アクアマン/失われた王国』

※画像はイメージです/UnsplashBrian McGowanが撮影した写真

アメリカのクリスマス映画興行が、前年(2022年)より-7%の下落となったことがわかった。

米Deadlineによると、2023年12月22日~25日の米国映画市場の累計興行収入は1億3210万ドル(4日間)。第1位は『アクアマン/失われた王国』の4,000万ドルで、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の2,800万ドル、イルミネーション最新作『FLY!/フライ!』の1,750万ドルがこれを追った。

全米脚本家組合・全米映画俳優組合の2大ストライキがあった今年は、映画の公開スケジュールに大きな影響があった。しかしながら、スタジオ各社は例年通りクリスマスシーズンを狙って話題作を公開。ワーナー・ブラザースは『アクアマン』と『ウォンカ』のほか、12月25日には『カラーパープル』(初日の興行収入は不明)の3作同時展開を仕掛けている。

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また、ユニバーサル・ピクチャーズは『FLY!/フライ!』、ソニー・ピクチャーズは『トップガン マーヴェリック』(2022)のグレン・パウエルとシドニー・スウィーニーのロマンティック・コメディ『Anyone But You(原題)』を公開。そのほか、サーチライト・ピクチャーズは『異人たち』を、Amazon/MGMはジョージ・クルーニー監督『The Boys in the Boat(原題)』を、NEONはマイケル・マン監督&アダム・ドライバー主演『フェラーリ(原題)』を公開している。

それでも累計興収が前年比-7%という結果となったことには、大きく2つの要因がある。ひとつは『スター・ウォーズ』や『アバター』『ジュマンジ』あるいは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)といった全観客層を巻き込むイベント映画の不在だ。もうひとつは、クリスマス当日が月曜日だったため、直前の土日に映画館を訪れる観客が少なかったこと。アメリカではクリスマス・イブは家族と過ごしたり、翌日の準備をしたりすることが重視されるため、「どうしても今観たい」という鑑賞意欲を盛り上げられる映画以外は優先順位が下がる。スタジオ的には、クリスマスが月曜日になることは決してありがたい話ではないのだ。

もっとも、市場全体を牽引する超大型作品がない中、ストライキの影響をも引き受けている映画館業界である、累計興収が前年比-7%にとどまったことはまだ不幸中の幸いともいえる。2024年の年末にはどんな作品が待っているのか、そして今年や昨年を超える記録を打ち立てることはできるのか。

Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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