『ブレードランナー 2049』作曲家降板の理由とは?ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がコメント

映画『ブレードランナー 2049』でメガホンを取ったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督と、本作で音楽を担当する予定だったヨハン・ヨハンソンは、これまでに複数の作品でタッグを組んできた“名コンビ”だった。『プリズナーズ』(2013)、『ボーダーライン』(2015)、『メッセージ』(2016)でヨハンソンが手がけてきた音楽は、作品にとって「なくてはならないもの」だったのである。
それだけに『ブレードランナー 2049』からヨハンソンが降板したというニュースは、少なからぬ映画ファン、そして映画音楽ファンに衝撃を与えた。完成した映画では、ハンス・ジマー&ベンジャミン・ウォルフィッシュが音楽を担当している。
なぜ本作からヨハンソンは降板するに至ったのか? アラブの国際放送アル=アラビーヤのインタビューにて、ヴィルヌーヴ監督はその理由と現在の心境を明かしている。
“ヴァンゲリスさながらの音楽”を
ジマー&ウォルフィッシュが『ブレードランナー 2049』に参加することが決まった際、ヴィルヌーヴ監督は「ヴァンゲリス」という名前を口にしていた。リドリー・スコット監督による前作『ブレードランナー』(1982)で音楽を担当した、今や伝説的なギリシャの作曲家である。
ヨハンソンの降板について、ヴィルヌーヴ監督はこのように説明している。
「私が言えるのは、映画製作とは実験室のようなものだということです。アーティスティックな行為で、誰も物事を計画することはできない。ヨハン・ヨハンソンは現在生きている作曲家のうち、とても大好きな人物のひとりです。とても優秀なアーティストなんですよ。
しかし、この映画には違うものが必要だった。ヴァンゲリスに近いものへと戻ることが必要だったんです。別の方向を目指さなければならないと、ヨハンと私は決意しました。」
いうなればヨハンソンは、『ブレードランナー 2049』に監督が必要とした音楽には不向きだった、あるいは音楽面で監督と意見を揃えることができなかったのだろう。降板が判明したのは2017年9月中旬だったため、すでに彼は多くの楽曲を作り終えていたものと思われる。
しかしヴィルヌーヴ監督も、ヨハンソンとのコラボレーションには現在も強い手応えを感じているようだ。今後の展望について、彼はきちんとこう付け加えているのである。
「再び彼と仕事をする機会があることを願っています。本当に素晴らしい作曲家だと思いますからね。」
映画『ブレードランナー 2049』は2017年10月27日より全国ロードショー。
Source: https://english.alarabiya.net/en/life-style/2017/09/28/EXCUSIVE-Villeneuve-reveals-why-he-wanted-David-Bowie-in-Blade-Runner-2049.html