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【ネタバレ】『28年後… 白骨の神殿』キリアン・マーフィー復活の舞台裏 ─ 『28日後…』に敬意、「スーパーヒーローの復活ではない」と監督

28年後... 白骨の神殿

この記事には、映画『28年後… 白骨の神殿』のネタバレが含まれています。

28年後... 白骨の神殿

暴力と狂騒の先で

『28年後… 白骨の神殿』は、カルト集団“ジミーズ”による暴力の連鎖と、医師ケルソン(レイフ・ファインズ)の孤独を描いた物語だ。少年スパイク(アルフィー・ウィリアムズ)は、自身を「覇王の息子」と呼ぶジミー・クリスタル(ジャック・オコンネル)率いるジミーズに巻き込まれ、逃げ出すことができなくなってしまう。

ある時、ジミーズはケルソンの“白骨の神殿”を発見し、クリスタルはケルソンに、覇王のふりをするよう頼んだ。これを受け入れたケルソンだったが、ジミーズのなかにスパイクがいることを悟り、クリスタルを裏切る。ケルソンはクリスタルに刺されたが、そのクリスタルもまたスパイクに刺され、2人はともに命を落とした……。

キリアン・マーフィー演じるジムはその直後、郊外にある一軒家に登場する。ジムが娘のサムに歴史を教えていると、にわかに外の様子がおかしい。見ると、ジミーズから逃れたスパイクと、“ジミー・インク”を名乗っていたケリー(エリン・ケリーマン)が感染者たちに追われているのだ。ジムは銃を手に取り、娘とともに2人を助けることを決意する。

「これは“スーパーヒーローの復活”ではありません。郵便配達員が帰ってくるのです」と米Varietyにて語るのはニア・ダコスタ監督だ。『28日後…』の大ファンで、「12歳のころに何度も観ていた」という彼女は、アレックス・ガーランドによる脚本を読み、ジムの再登場に感動したという。

キリアン・マーフィー Cillian Murphy
Photo by Maximilian Bühn https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cillian_Murphy_Press_Conference_The_Party_Berlinale_2017_01.jpg

脚本を読んだのは、ちょうどマーフィーが『オッペンハイマー』(2023)でアカデミー賞の主演男優賞を受賞した直後だった。米The Hollywood Reporterでは、「『28日後…』は私にとって、ホラー映画やゾンビ映画のファンにとって大切な作品です。多くの人がキリアン・マーフィーを発見した映画でもある。最新作のラストを彼で締めくくれるのは本当に素晴らしいことだと思いました」

ジムと娘がいるのは、『28日後…』のラストで訪れた郊外の家と同じ場所だと思われる。撮影はイングランドの湖水地方にて2日間行われた。撮影スケジュールとしては全体の中間あたりで、“白骨の神殿”のシーンをすべて撮り終えたあとだったという。

「アレックス(・ガーランド)は、ジムが娘に歴史を教えているシーンを書きました。彼をそのように再登場させたいと考えたわけです。だから私は、その通りに撮ろうと思いました。リアルで落ち着いたシーンで、派手でも大げさでもない。彼が出てくるだけで十分な力があると思います。」

ダコスタは「ジムはゾンビを撃ちまくるのではなく、娘にトーストと紅茶を出している。これこそがこのシリーズなのだと思い、そこに敬意を表しました」という。娘に歴史を教えているくだりは少しカットしたというが、あくまでも脚本通りに演出した。

このシーンで流れる音楽は、『28日後…』でジョン・マーフィーが手がけたスコア「In The House, In A Heartbeat」。第1作にオマージュを捧げたダコスタは、「ここが一番“シリーズもの”っぽいところです」と語った。

28日後
『28日後…』(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

シリーズのファンならば、『28日後…』でジムを助けたヒロインのセリーナ(ナオミ・ハリス)とハンナ(ミーガン・バーンズ)の姿が見えないことが気になるだろう。しかし、ダコスタはこの謎について言及しない。「ジムが少女サムの父親であることは確か。その他の疑問は次回作で解決されます」という。

すでに『28年後…』シリーズは完結編となる第3作の製作が決定しており、キリアン・マーフィーと脚本家アレックス・ガーランドが復帰する。監督はまだ決まっていないが、『28日後…』『28年後…』のダニー・ボイルが戻ってくる可能性も高いだろう。米USA Todayにて、ダコスタはこの3部作を「スパイク少年の物語」と称しつつ、「それぞれの映画で登場人物についてじっくりと語っています。3作目はジムの番です」と予告した。

ちなみにダコスタは、ラストシーンよりもずっと早く、映画冒頭のタイトル・シークエンスでマーフィーの声が聞こえることも明かしている。過去作のシーンを引用するにあたり、『28日後…』からジムの「ハロー」という声を使用したというのだ。

映画『28年後… 白骨の神殿』は公開中。

Source: Variety, USA Today, The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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