セバスチャン・スタン、『355』キーパーソン役を快諾した理由は「ジェシカ・チャステインとの絆」

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー役で知られるセバスチャン・スタンは、出演する作品ごとに表情を変え、どんな役柄にも人間味とチャーミングな側面をもたらす。ジェシカ・チャステイン、ペネロペ・クルス、ルピタ・ニョンゴ、ダイアン・クルーガー、ファン・ビンビンら豪華競演のスパイ・アクション大作『355』でもそれは変わらない。
セバスチャンが『355』で演じているのは、ジェシカ演じるメイスと深いかかわりを持つCIAの諜報部員・ニック役。このたび、セバスチャン自身が本作に参加した経緯や思いを語るコメントが到着した。

格闘術のスキルが高いCIAのメイス(ジェシカ・チャステイン)、トラウマを抱えるBND/ドイツ連邦情報局のマリー(ダイアン・クルーガー)、最先端のコンピューター・スペシャリストでMI6のハディージャ(ルピタ・ニョンゴ)、コロンビアの諜報組織に所属する優秀な心理学者グラシー(ペネロペ・クルス)、中国政府で働くリン・ミーシェン(ファン・ビンビン)。世界中のインフラや金融システムなどを攻撃できるデジタル・デバイスが闇マーケットに流出するのを防ぐため、各国から5人の女性エージェントが集結し、国際テロ組織に立ち向かう。
物語の幕開けを飾るのが、ジェシカ演じるメイスと、セバスチャン演じるニックの関係性だ。ふたりは仲間であり親友だが、デバイスをめぐってパリでの任務に参加するころ、ふたりの関係性は“それ以上”になっている。セバスチャンは「ふたりが一緒にこの任務を命じられた理由のひとつは、ふたりには“阿吽の呼吸”があるから。ふたりのテンションのおかげで人々を欺くことができるんです」と解説する。

ところが、事態はメイスとニックの想定したとおりには動かない。デバイスを取り戻すためカフェに向かい、コロンビア諜報機関のルイス(エドガー・ラミレス)に接触したと思いきや、ドイツ連邦情報局のマリー(ダイアン・クルーガー)がデバイスの入ったリュックを奪取。メイスはマリーを、ニックはルイスをそれぞれ追うことになる。
『アベンジャーズ』『キャプテン・アメリカ』シリーズや「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)に出演してきたセバスチャンは、アクションやスタントに精通しており、この場面でもジェシカとともにストリートでの戦いを見せてくれる。
もっとも、セバスチャンが『355』に惚れ込むに至ったのは、アクションよりも作品のコンセプトや脚本、そしてジェシカ・チャステインとの“絆”だったようだ。まず前提として、スパイ映画としてとても斬新でオリジナリティに溢れていたこと。そして、ニックという“メイスの相手役”を務めることに魅力を感じたのだという。
「『オデッセイ』(2015)でジェシカと共演したのは素晴らしい経験でした。あれからずっと友達で、『355』でニック役を演じてみないかと彼女からコンタクトがあったとき、そのオファーにすごく興奮して、彼女とまた共演できる機会をすぐに承諾しました。他のキャストを見た時も、考えるまでもありませんでしたし、脚本も素晴らしかった。しっかりとエンターテイメントであり、予想外で、オリジナリティがあり、素晴らしいアクションとキャラクターの成長、そして捻りの効いた陰謀が描かれていました。」
もっとも脚本に注目するならば、『355』のセバスチャン=ニックで特に興味深いのは、ともすればニックがたどる軌跡かもしれない。監督・脚本を務めたサイモン・キンバーグは、ニックについて「見た目ほど信頼のおける人物ではありません。しかし、メイスへの愛は誠実です。他のキャラクターと同じく、彼にも含みと複雑性があるのです」と意味深な言葉を口にした。
世界各国から集まった女性エージェントたちが活躍する本作において、セバスチャンはまぎれもなく重要な役割を担っている。これまでの出演作にも通じる穏やかさと激しさを兼ね備えつつ、新たな一面を見せてくれるキャラクター性に注目しよう。
映画『355』は2022年2月4日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。