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アカデミー賞ビンタ騒動ウィル・スミス謝罪コメント全訳 ─ 賞剥奪も検討、「ウィルはやり過ぎ」「美しい瞬間だった」議論に

ABC/PLANET PHOTOS 写真:ゼータイメージ

史上初の快挙となる受賞が相次いだ第94回アカデミー賞の話題は、式の最中に起こったウィル・スミスビンタ騒動で持ちきりとなった。『ドリームプラン』で主演男優賞を獲得したウィルは受賞発表前、司会のクリス・ロックのジョークに腹を立ててクリスを平手打ち。Fワードも混じった強い口調で抗議し、会場は静まりかえった。米ABCのテレビ中継でも、この場面から無音に。アカデミー賞史上に残る“放送事故”となったが……。

きっかけはクリスのアドリブだった。「『G.I.ジェーン2』で君を見られるのを楽しみにしているよ!」クリスは、ウィルの妻であり女優のジェイダ・ピンケット・スミスを見てジョークを飛ばした。米Vatieyによると、『G.I.ジェーン』のくだりは脚本にない演出だったという。

『G.I.ジェーン』(1997)は坊主頭の女性戦士が戦うアクション映画。クリスは、ジェイダが頭髪を刈っている姿を見て、咄嗟にジョークを差し込んだのだろう。しかしジェイダは脱毛症に悩まされており、そのために髪を刈っていた。それまで笑っていたジェイダの表情はたちまち曇った。

妻の症状を笑いものにされたウィルにとっては、まさに冗談では済まされない出来事。突然クリスのもとに歩み寄り、右掌でビンタを見舞った。席に戻ってもなお、怒りは収まらない。「俺の妻の名前を口にするんじゃねぇ!」

舞台裏、コントロールルームで再び冷や汗をかいたのはグレン・ウェイスだ。再び、というのはこのプロデューサー、『ラ・ラ・ランド』(2017)の“読み違え”ハプニングが起こった2017年時もプロデュースに入っていた。「予測不可能な瞬間に、みんなで立ち上がって何かを成し遂げるということは今までもありました。ですから、今回もそういう事態になったのかと思った」と、ウェイスは米Varietyにて振り返る。ビンタを受けた直後にクリスが「ウィル・スミスに叩かれた」と言った瞬間、「これが現実だと気付き始めた」という。「洒落にならないぞと分かったのです」。

ある関係者は、米Peopleに「舞台裏ではたくさんの人が様々な声をあげていました。何が起こったのか、どう動くのが最善で最短の道なのかを考えていました」と証言している。「それから、クリス・ロックが無事であるかも確認していました」。

米アカデミーは事件の後、「いかなる暴力も容認しない」とのコメントを発表していたが、実際にウィルの主演男優賞を剥奪すべきかと「真剣に議論された」ことがあったという。

アメリカでは、議論は翌朝にも持ち越された。米ABC局の朝の情報番組に出演したウーピー・ゴールドバーグは、「私も酷い振る舞いをしてしまうことはある」としつつ、ウィルの行為は「やり過ぎ」とピシャリ。一方、ティファニー・ハディッシュのように「あれこそ、夫がすべきことでしょう?」「これまでで最も美しい瞬間でした」とウィルを支持する声もある。ウィルの息子で俳優・ラッパーのジェイデン・スミスは「あれが俺らのやり方だ」とツイートした。

渦中のウィルは翌日になって、自身のInstagramに謝罪文を掲載した。以下、全文訳。

「いかなる暴力も有害であり破壊的です。昨夜のアカデミー賞での私の振る舞いは、容認されるものでも、許されるものでもありません。私を笑い者にするジョークであっても、それもこの仕事のうちです。しかし、ジェイダの健康状態に対するジョークは耐え難く、感情的になってしまいました。

クリス、君にきちんと謝りたい。私は一線を超えてしまったし、間違っていました。取り乱してしまいました。私の行動は、私がなりたい人物像を示していませんでした。この愛と厚意の世界において、暴力が加わる余地はありません。

そして、アカデミーの皆様、番組のプロデューサー、ご出席の皆様、そしてご覧になられた世界中の皆様にもお詫び申し上げます。ウィリアム・ファミリー、私の『ドリームプラン』ファミリーにお詫び申し上げます。私の行動が、せっかくの素晴らしい功績を台無しにしてしまいましたこと、深く反省しております。

今後も精進してまいります。

心を込めて
ウィル」

他方クリス・ロックは、警察への被害届提出を拒否。現在のところ、SNS上では沈黙を貫いている。

クリスは3月30日からコメディ・ショーのツアーを開始するが、話題を集めたことでチケット価格が高騰。米Varietyによると、最安46ドルだったものが、最安341ドルにまで上昇しているという。

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Source:Variety(1,2),People(1,2

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューさせていただきました。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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