ジェームズ・ガン監督、『スター・ウォーズ』過激派ファンに苦言 ─ 俳優への誹謗中傷問題で

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)でファンによる非難の的となっていたジャー・ジャー・ビンクス役のアーメッド・ベストが、バッシングを苦に自殺を考えていた過去をSNS上に投稿したことが話題になっていた。これを受け、マーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督は、一部の過激な『スター・ウォーズ』ファンに対し、強い口調で苦言を呈している。
ガン監督は、先のジャー・ジャー役の話題を伝える記事を「落ち着こうよ」というコメントと共にTwitterに投稿。これ対し、ファンが「確かに、アーメッド・ベストは悪くないよね。ジャージャーがあんなに酷いキャラクターなのは脚本のせい。(少年アナキン役の)ジェイク・ロイドや(青年アナキン役の)ヘイデン・クリステンセンも同じ」とコメントすると、ガン監督は「そういうことじゃない。脚本家が演者以上に責められてよいとは思わない」とリプライを返し、次のように論じた。
Star Wars (or any movie) may be important to you, but it doesn’t belong to you. If your self-esteem depends on how good you think the current Star Wars is, or your childhood is ruined because you don’t like something in a movie, GO TO THERAPY.
— James Gunn (@JamesGunn) 2018年7月4日
「“俳優は悪くない!悪いのは脚本家だ!”という声もズレている。批判するにせよ、好きじゃないにせよ、ストーリーのためにベストを尽くしている個人に向かってヘイトやイライラをブチまけるのは、まずいだろう。たとえストーリーが酷かったとしてもだ。観なければいいのに!」
「『スター・ウォーズ』(ほか、あらゆる映画)は、君にとって重要なんだろう。だからといって、君の所有物という訳じゃない。自分の自尊心が、今の『スター・ウォーズ』の良し悪しにかかっているのなら、もしくは、映画が好みじゃないから子供時代が台無しになったと言うんだったら、もうセラピーに行っとけよ。」
世界中で激しい賛否両論を巻き起こした『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』をめぐって、『スター・ウォーズ』ファンの間では議論が過激化。ライアン・ジョンソン監督には一部のファンからバッシングや嫌がらせが繰り返され、監督本人は殺害の脅迫を受けたことも明らかにしている。同作でローズ・ティコ役を演じた女優のケリー・マリー・トランに対しても、Instagramにおける嫌がらせや性差別・人種差別発言が長らく日常化していたとされ、ケリーは2018年6月上旬に事実上のアカウント閉鎖を行っていた。
また、米国で思わぬ興行的苦戦を強いられた『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)についても、ロン・ハワード監督のもとに「『最後のジェダイ』がひどかったので抗議のために観に行きません」といったコメントが寄せられている。
映画に対して、様々な意見があるのは当然かつ健全的なこと。しかしガン監督が強く指摘するように、いかなる個人もそのために攻撃されてはならないのである。怒りや憎しみはダークサイドへ通じるのだ。
Source:James Gunn