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「アメリカン・クライム・ストーリー」新シーズン「スタジオ54」早くも製作決定 ─ スピンオフ作品「ラブ・ストーリー」「スポーツ・ストーリー」も

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:American_Crime_Story.jpg

米テレビドラマ界を代表するヒットメーカー、ライアン・マーフィーが実際の事件に基づいて製作する「アメリカン・クライム・ストーリー」の第3作「インピーチメント:アメリカン・クライム・ストーリー(原題)」が、2021年9月7日より米国放送開始となる。これに先がけて、早くも第4作「スタジオ54:アメリカン・クライム・ストーリー(原題)」の製作が決定した。米FX局が発表した。

本シリーズでは、アメリカンフットボール選手O・J・シンプソンが元妻らの殺人容疑で逮捕された“O・J・シンプソン事件”を描いた「アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件」(2016)、ファッションブランド・ヴェルサーチの創業者殺人事件を描いた「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」(2018)が製作されてきた。来たる「インピーチメント」は、ビル・クリントン元大統領の不倫相手モニカ・ルインスキーらを主人公に大統領の弾劾裁判を描くものとなる。

これらに続く「スタジオ54」は、1977年にマンハッタンに誕生した伝説のクラブ、“スタジオ54”の設立者であるスティーブ・ルベル&イアン・シュレーガーを主人公とする物語。たちまちセレブリティの社交場となったが、わずか2年後の1979年にルベル&シュレーガーの脱税が判明し、二人は逮捕される。スタジオ54は売却され、別のオーナーのもと再オープンするが、かつての活況が戻ることはなかった。

昔からこの事件に惹かれていたというライアンは、脚本・製作総指揮を務めたNetflixドラマ「HALSTON/ホルストン」(2021)でもスタジオ54を描いた。今回の発表に際しては、「『アメリカン・クライム・ストーリー』を通して意義ある物語を描ける」と語られているあたり、また別の目論みがあるということだろう。

また、ライアンは「アメリカン・ホラー・ストーリー」(2011-)に始まった一連の「アメリカン~」シリーズをさらに拡大する。FXでは、同じく実際の題材をドラマ化する「アメリカン・ラブ・ストーリー(原題:American Love Story)」「アメリカン・スポーツ・ストーリー(原題:American Sports Story)」の製作も発表された。どちらも1話完結のアンソロジー・リミテッドシリーズだ。

「アメリカン・ラブ・ストーリー」の第1話では、ジョン・F・ケネディ米大統領の息子であるジョン・フィッツジェラルド・ケネディ・Jr.と妻のキャロリン・ベセット=ケネディの苦悩やプレッシャーが描かれる。また「アメリカン・スポーツ・ストーリー」の第1話は、NFL選手アーロン・ヘルナンデスのキャリアや内面、家族、事件や死など、彼の栄華と転落を検証する物語になるということだ。後者の脚本・製作総指揮は「ジ・アメリカンズ」(2013-2018)などのスチュアート・ジッハーマンが担当。両作とも、ライアンは製作総指揮に名を連ねている。

なお、「アメリカン・ホラー・ストーリー」は記念すべき第10シーズン「アメリカン・ホラー・ストーリー:ダブル・フィーチャー(原題)」が2021年8月25日より米国放送開始。同作のスピンオフとなるアンソロジー・シリーズ「アメリカン・ホラー・ストーリーズ」はシーズン2の製作が決定した。「インピーチメント:アメリカン・クライム・ストーリー」も含め、すべて予告映像や特報映像が米国で公開されている。とにかく拡大し続ける「アメリカン~」シリーズ、なんとか日本国内でもすべて見られますように。

Sources: Deadline(1, 2

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。