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【全文レポート】『アド・アストラ』ブラッド・ピット来日記者会見 ─ 宇宙飛行士からの絶賛に感激の反応見せる

『アド・アストラ』ブラッド・ピット 来日記者会見
© THE RIVER

アジア各国のメディアからの質疑応答

(これより、アジア各国から集まった記者による質問の時間となった。アジアの記者らは全員が英語で質問を投げる。)

『アド・アストラ』ブラッド・ピット 来日記者会見
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── ハイ、ブラッド。シンガポールから来ました。昔からの仲だというジェームズ・グレイ監督と一緒に仕事をしたかった理由は何ですか。それから、監督は役者としてのコンフォート・ゾーン(慣れた、自分にとって快適な領域)をどのように突破させたのですか。特に今作は、表情のアップが非常に多いじゃないですか。まるで感情的に丸裸にされるような心地だったのでは。

監督という立場は、道筋やトーンを示すもので。自分が信頼している監督なら、たとえクレイジーなアイデアに感じられても、やってみても安心だと思わせてくれる。信頼していない監督なら、役者として自分を守るために、リスキーなことはやらなくなるものです。

ジェームズに会うと、すごく正直で素直な人だなと気付かされます。だから、とても開けた関係性が築けています。お互いの駄目なところを笑いあったりして。朝はジェームズからメールが届いて、個人的な出来事なんかを教えてくれるんです。1日のやりとりの始まりはそんな感じで、お互いの恥ずかしいところも明かし合える関係です。

今作の僕の演技はすごく落ち着いた静かなものだから、フラットで退屈になっちゃうといけないなと危惧していました。だから「ジェームズ、あまりにもフラットになっちゃっていたら止めてくれ」とお願いしましたね。

ところで、日本に来た時に、空港でマスクをしている人がいっぱいいて驚いたんですよ。何の病気なんだろうって。でも今ではその理由が理解できるようになりました。周りから自分を守ってるんですね。他の国の人たち…、僕たち(米国人)もやればいいのに。

『アド・アストラ』ブラッド・ピット 来日記者会見
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── ハイ、ブラッド。フィリピンから来ました。男の子と言えば、宇宙飛行士に憧れて、いつか宇宙に行きたいと夢見ることがあると思います。主人公ロイを演じたことで、自分の童心は満たされましたか?

自分が子供の頃に宇宙飛行士に憧れたかは覚えていませんが、宇宙船に乗るだけで自分の童心が興奮しましたね。以前、パイロットのライセンスを取ったくらいですし。コックピットで色々なボタンを押すのは面白かったです。

── ハイ、ブラッド。僕もフィリピンから来ました。(劇中に登場する心理検査を再現して、)今ここで心理検査をやるとしたら?(※自分の精神状態を淡々と報告するもの。)

時差ボケで、空腹で…。でも、まだ眠りません。東京の街に出かけたいから!

ブラッド・ピット、本物の宇宙飛行士に興奮

(ここで質疑応答は終了し、特別ゲストとして毛利衛氏、山崎直子氏が登場した。
毛利衛氏は日本人として初めてスペースシャトルで宇宙に旅立った元宇宙飛行士であり、会場になった日本科学未来館の館長。山崎直子氏も同じく元宇宙飛行士であり、国際宇宙ステーションの開発にも携わった。)

『アド・アストラ』ブラッド・ピット 来日記者会見
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ブラッド・ピット:本物だ!

── 毛利さん、山崎さん。宇宙で様々なミッションを行ってきた宇宙飛行士の観点から、『アド・アストラ』を観て頂いた感想を。

ピット:是非知りたいです。本物の宇宙飛行士ですから。

毛利衛:今日、9月12日。僕が1992年に(宇宙に)飛んだ日なんですが、そんな日にブラッド・ピットさんが日本に来られてとても嬉しいです。(アジア記者から感嘆の声があがる。)

映画、楽しんで観ました。私が一番胸打たれたのは、彼が、父親と息子として、それから自分の一番愛する人、それからチームワークですね、宇宙飛行士はミッションを行う上でそれが一番大事なんですけれども。それらを演じる表情がですね、非常に繊細で。その時その時で、本物以上にリアルで。やはり凄い俳優さんだなと、驚かされました。

山崎直子:まず、ブラッド・ピットさん、本当に素晴らしい映画を届けてくださって。Wonderful movie… とにかく圧倒的な美しさと壮大さ。これはブラッド・ピットさんを始め、ジェームズ・グレイさんや色々なチームの方が細部に魂を込めていた賜物だと思います。

そして宇宙飛行士の立場から言うと、毛利さんも同じですけれども、実際に宇宙に行く時に、やはり子供を残していかなければいけなかったりした立場、家族に心配をかけてきた立場からすると、実はこの映画は心をとてもえぐられる映画でした。だからこそ、とても深いものだと思います。

宇宙に行くと地球のことがよく分かる。これは毛利さんが館長をされているこの日本科学未来館の、まさにこのジオ・コスモスに現れています。他の人と関わることで、自分を知る。自分を再構築していく映画だと思います。本当に皆さん共感できると思います。私自身もまだ何度も観たいと思いますし、今度はブラッド・ピットさんが実際に宇宙を旅するところを見たいと思います。

『アド・アストラ』ブラッド・ピット 来日記者会見
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ピット:僕も質問があります。本物の宇宙飛行士がいらしたんですから!よく、宇宙に行った人だけの特権として、地球を外から見られることがあると言いますよね。おふたりが宇宙からこの青いマーブル(地球)を見た時、どんな気持ちでしたか?

毛利:私が今、日本科学未来館の館長をしているのは、今ブラッドさんが仰ってくれた感覚を大事にして、それが自分のミッションだと思っているからです。

科学技術が宇宙に行くことを可能にしています。同時に、科学技術だけでは、私達が住んでいるこの大事な地球を守ることは出来ない。しかし、外から地球を見ると、誰が見ても美しい。この気持ちを世界中の人に伝えたいと思っています。

個人的にその時のことを考えると私は、ガガーリン、人類で初めて宇宙に行った彼の言葉、「地球は青かった」って言葉。それがどんな青さだったのかということを、子供の時からずっと考えてきました。それを現実で見た時には、もっと深い意味がありました。

山崎:地球は青い、丸い、美しいということは、今の時代、皆さん分かっているわけですけども。実際、理屈ではなく身体にストンと入ってくるような感覚で。地球自身が生きているような感じがしました。その中で私達も生きている、生き物同士が向き合っているような感じがしたのが、私にとっては印象的でした。

また、宇宙に行った時に、どことなく懐かしいような感じもして。宇宙に行くのは冒険の意味合いも強いんですけど、実は故郷を訪ねるような、そんな感じがしました。

『アド・アストラ』ブラッド・ピット 来日記者会見
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ピット:(2人の話を興味深そうに聞いた後)もう一問いいですか。Do you miss it?(寂しいですか、もう一度行きたいですか。)

山崎:はい、また戻りたいです。

毛利:今度は違うところに行きたいです。月ではなくて火星に行きたいです。

ピット:どうもありがとうございます。

ギャラリー

映画『アド・アストラ』は2019年9月20日(金)全国ロードショー

ベネチア国際映画祭での絶賛レビューはこちら

配給:20世紀フォックス映画 (C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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